[携帯モード] [URL送信]

「キオ、帰ろ?どしたの?」

「…えっ、うん?」

あたしは親友の若葉(ワカバ)に声をかけられ、授業が既に終わっていた事を初めて知った。



「今日、どーする?」

カバンに荷物をしまいつつ、あたしの視線は彼女の動きを追っていた。

「う〜ん…。」

ドコでお茶してくかを考えてるつもりでも、脳裏にこびりついて…離れない。



彼女の後ろ姿の残像が。

あの奇妙な昼下がりが。






「二階堂さんがどうかした?」

あたしの目がとらえていたものに気付いた若葉は、不思議そうな顔をしている。

「え。…ううん、別に。」

さっきのは見間違いに決まってる。

うん、そうだ。



「二階堂さんて背高いよね〜。羨ましいな、モデルみたいで。」

小柄なあたしの親友はそうボヤき、教室から出て行く彼女の背中を見送っていた。






「何て言うかさ、美形ってタイプだよね。サバサバしてるし、宝塚みたいな〜!?」

若葉の中のマリンちゃんのイメージは『タカラジェンヌ』らしい。

「う〜ん、良く分かんない。」

竹を割ったようなと言えば、そんな感じだけど。

正直、言葉使いも良くはなくていつも男子に平気で毒を吐いている。



高校生になって2ヵ月。

彼女とクラスメイトになって、まだ2ヵ月なのだ。

[前へ][次へ]

第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
無料HPエムペ!