7
「膝から下だけ…、だった。」
思い出しても身の毛がよだつ。
「へ〜。」
姉はプリンを食べ終わり、ゴミを捨てながら軽く笑う。
「ま、気紛れっしょ。ユーレイさんの。気にする事ないって。」
「違う、違うよ!!あたし昨日、学校でも見たんだよ!?」
教室のドアの、すりガラスの部分。
「そこから…覗いてた。」
「そんなの、サボってた生徒じゃないの?」
尚も信じない、姉。
「違うの、下からじゃないの!」
ガラス部分の上から…逆さまに、だよ?
「だから清、真っ青だったの?昼休み…。」
唇を噛み締め、あたしは頷いた。
「アンタって霊感あったんだ。」
「ないよ、全然ない!初めてだよ!!」
「なっちゃんは見えます?見た事、あります?」
なっちゃん。これは姉、和(ナゴヤカ)の愛称。
「まっさか〜。」
名前の通り、確かにユーレイ相手にも笑ってそうなキャラだ。
「なんか被害とかない訳?首締められたりとかさ。」
「ないない!あったらあたし、死んでるよ!!」
「じゃーアンタ、別に迷惑かけられてないじゃん。『見る』だけなんだから。」
「お姉ちゃんは見た事ないからそんな風に言えるんだよ!!」
呑気なのも、大概にして欲しい。
[前へ]
無料HPエムペ!