[携帯モード] [URL送信]

無事、学校を出た。

学校から…出れた。

こんな表現大げさに思われるだろうけど、本当に安堵する。



しかし何故か最上くんは手を離さずに、そのまま駐輪場に向かう。

「返事出来ないぐらい具合ワリーんなら、遠慮するな。」

「あ、違うよ。そっか。あたし、首振ってた。」

すっごく、呆れた顔で振り向かれる。






「それ…天然?」

そう言われても、良く分かんない。

「…ま、いーや。駅で目ぇつぶってダッシュはするなよ。」



彼のおかげで、あたしには笑顔がこぼれる。






学校じゃなければ…きっと、平気。



あんなもの、

見ない。















翌朝。



重たい気持ちだが頑張って学校へ向かおうとしたあたしは、自宅のエレベーター内で裏切られた。



「もうヤダ!何なの、ねぇ、若葉!!あれ、今のなにッ!?」



エントランスで待っていた彼女に泣き付き、7階まで階段で上がるという何とも迷惑な目にあわせてしまった。






「はぁ?何、アンタ。」

たった今見送ってくれた姉に、再びあたしは泣き付いた。

[前へ][次へ]

あきゅろす。
無料HPエムペ!