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しまった…。

今日若葉は部活行くって言ってたから、一緒に帰れないんだっけ。



放課後。



あたしはぽつぽつと人数が減って行く教室で、途方にくれていた。



ヤダな、ひとりで帰りたくないよ…。

でもいきなり一緒に帰るような友達は他にいないし。



しょーがない。

例のドアは見ないようにして、ダッシュで学校から出よう。

カバンを握り締めてあたしが駆け抜けようとした、その時──…。






「うわッ!?」

ドン!!

と、思っきり、あたしは何かにぶつかってはね返させられた。

「…ッぶね!!」

そして腕を掴まれ、危うく転倒だけは避けた。



「な、何、してんだよ?」



そっと開けた瞳の中には…唖然と、けれど力強くあたしを支えてくれた最上くんの顔。



「か、帰ろうと、思って…。」

うん。帰ろうと思っただけ。

「よそ見してると危ないぞ?」

「よそ見って言うか…目、つぶってた…。」

「もっと危ねーし、それ!」



最上くんは自分のジャージを取ると、スタスタまたこちらへ来る。

「部活?」

「あぁ。忘れた。」

バサバサと、そのジャージを振る。

「校庭…、出る?」

怪訝そうに頷く彼が、神様に見えた。

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あきゅろす。
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