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「…あれぇ?」
1年3組の教室。あたしのクラス。
自分の席に戻ろうとして、あたしは違和感を覚えた。
キーンコーンカーンコーン。。。
予鈴が鳴る。
「マリンちゃん。今、トイレいた?」
「ん?いや、私バリ寝てたけど。」
席に着く途中にある、二階堂 海(ニカイドウ マリン)の席。
疑うまでもなく。
彼女の頬にはくっきりと、腕に突っ伏していた証が赤く残っている。
「だよね。」
頬をちょんちょんと指差し、あたしは愛想笑い。
「お〜、んだこりゃ。超ヤベーし。」
ポーチから鏡を取り出して自分の顔を確認しながら、軽くメイクを直している。
その様を横目に見ながら、あたしは自分の席に着いた。
キーンコーンカーンコーン。。。
本鈴だ。
もうすぐ、午後の授業が始まる。
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