水曜日
また昼休み、あの女の子が来た。
ドアの所から控えめに、教室の中の様子をうかがっている。
気付いた私は、ちょんちょんと城戸の肩を叩いて「ドアんトコ」とだけ言っといた。
後ろのドアから出た方が、微妙に購買近いんだけどな…。
『城戸の彼女』とすれ違うのが私は何故かイヤで、遠回りして購買に向かった。
「城戸は、あの子と付き合わないの?」
相変わらず、私達は週番。
「うーん、分かんない。」
は?分かんないって、こっちが意味分かんねー。
「だって別に、好きじゃないから。」
あ、そういう意味か。
「付き合ってから、好きになればいいんじゃないの?」
「そんなんでいいのかな。」
「知らないよ。いいんじゃない?」
「楠はどうして今の彼氏と付き合ったの?」
どうしたもクソも、ない気がする。
成り行きだもん。
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