火曜日
始業ベルと同時に、私は席に着いた。
「ギリじゃん。」
前の席の城戸が私に話しかけて来る。
「昨夜遅かったから起きれなくてさ。」
「どうせゲームでもやってたんだろ?」
「ううん、彼氏と一緒だった。」
城戸は口を開けて、アホ面をしている。
「…何?」
「あ、いや!何でもないよ。」
慌てた様子で、前を向く。
最近、変だな。コイツ。私、別に何にもしてないのに。
昨日も、『特別』だとかって妙な事言うしさ。意識しちゃうじゃんか。
ただの、クラスメイトなのに。
昼休みに購買に行こうとした私は、見知らぬ女の子に声をかけられた。
「あっ、あの!1組の人ですかっ?」
は?今私がどこから出て来たと思ってるの?
アンタ見てたでしょうが、1組の教室からじゃんよ?
そう突っ込みたいのを我慢し、「うん」とだけ答えた。
「城戸君、呼んでもらえませんか?城戸冬哉君…。」
城戸ってアイツ1人しかいないから、フルネームじゃなくても分かるんだけど?
「城ぃ〜〜戸ぉ〜〜!!呼んでるけど〜〜〜!!!」
私はドアの所から、大声で彼を呼んだ。
その女の子はオロオロし、私に『そうじゃなくて』的な顔を見せたが、無視した。
「へ〜?何〜、誰〜?」
城戸は城戸でダルそうに、私の方に歩いて来る。
「誰…って、あれ!?」
[前へ][次へ]
無料HPエムペ!