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日曜日
「オレ、明日からまた無口に戻るね。」

「…はい?」

夕方、呼び出されたファミレスにのこのこやって来た私。



「告白されてさ、『誰かと付き合わなきゃならないかもしれない』って瀬戸際になって。
初めて気付いたんだ。」

「はあ?何に?」






「楠が、好きだったって事に。」






「じっと黙ってると、お前の事しか考えられなくなってた。だから、クラスの奴らとバカ騒ぎしてたんだ。」



慣れない人付き合いと喧騒の中にいる事で、意識を散漫にしていた。と。





「つーか、何でそのコと付き合ったの?」

「何でだろうね、分かんない。」

「いや、結構最低だし。それって。」

好きな人がいるから。って、きっぱり断る方が全然マシなんじゃないか?




「違うよ。どうせオレの願いは叶わないなら、だったら別に誰でもいいやって。」

好意を寄せてくれてる子は、付き合ってるってだけでそれなりに幸せなのかもなあ。って。




「違うし、馬鹿じゃん。気持ちがどっか行っちゃってたら、意味なんかないよ!」

「人の事、言えないんじゃない?」



君は確かに、私を良く見ていたみたいだね。

私も『気持ちがどっか行っちゃった』まんまで、付き合ってた。

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