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金曜日
後はこの週番の作業が終われば、休みが待っている。

って言っても、遊びに行く予定なんかないんだけどね。

相手もいねーし。




「楠は毎週末とかってデートしてんの?」

早々に日誌を書き終えた城戸が、問いかけて来る。

「ううん、週末は向こうが仕事だからしない。いつも平日の夜。」

「そうなんだ。どういう所行くの?」

ほほう。私を参考に、デートの計画ですか。

「聞いても、役に立たないと思うけどな?」

「へ?何で?」

「だって車だし。ドライブインシアターとか、夜景見に行ったりとか、アシなきゃ無理なトコばっかだよ。」

意地悪じゃなくて、事実だからさ。言っとくけど。



「そういうの、好きなんだ?楠は。」

「別に。連れてかれるだけ。」

「じゃあ、楠はどこ行きたいの?」

「は?私の意見は、一般の乙女とはかけ離れてるし。初デートなら、無難に遊園地とか水族館とか行っときゃ間違いないんじゃないかね?」

馬鹿らしい様な面倒くさい様な気分になって、適当にしゃべる。





「いいから、どこ行きたいって聞いてるの。お前に。」

城戸も同じ事を2回言わされて、面倒くさそうだ。



「…教えない。」

知りたいんなら、追っかけてみなよ。


彼女じゃなくて、私を。


矛盾し過ぎだけど、そうされたい。

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