leave
「いや、だから〜‥、その女の人って彼女でしょ!?」
何であたし、こんなに慌てなきゃいけないのッ?
「ううん、違ったみたい。」
「‥み、みたいって!?」
「行きずりの女だったよ。俺と同じぐらい、俺の事知らなかった。」
彼は、真剣にため息をつきながらそう言ったけど‥
なんか台詞、すっごい嫌だからー!!
「ちゃんと、説明するんだよ。」
「‥うん。」
全く乗り気じゃない彼を、警察署まで送って行った。
「じゃあね、頑張って。バイバイ。」
あたしは振り向かず、走り出した。
んも〜、心臓に悪いよ!あんなカッコ良い人!!
自慢じゃないけど、ただでさえ男の人になんか免疫ないんだからッ。
あ、そうだ。
一言、文句言ってやろうと思ってたんだっけ。
すっかり忘れてた。
もう、会う事なんか‥ないんだろうな‥。
ガランとした部屋に、ひとり入る。
彼が枕代わりに使っていたあたしのクッションが、少しぺったんこになっている。
それを抱き締めて、ちょっとだけ泣きそうになった。
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