cause
「警察行けば、きっと何か分かるよ。捜索願い出されてたり!」
「仮に誰か身内が捜索願いを出してたとして、そこに帰って‥」
彼は慣れた手つきでタバコをくゆらせる。
「俺は他人と知らない家で暮らすんだな。」
そして目を伏せ、煙を吐いた。
「え?でも、知ってる人に会えば思い出せるかもよ!?」
「どっちでもいいや、別に。」
何か、投げ遣りな人だな〜。
「原因みたいなのってないの?」
「思い当たらない。起きたら、何も思い出せなくなってた。」
‥起きたら?
「待って!じゃ、そこがあなたのおウチでしょ?」
「俺、少なくともラブホに住んでなかったと思う。」
…。
えぇ〜ッ!?
ラブホって、ラブホテルですか!?
あたしは、ちょっと赤くなってたみたい。
彼は小馬鹿にしたように「何?」と、笑う。
「う、うるさいな!その、あれ、一緒にいたんでしょ!?女の人と!!」
恥ずかしいやら腹立つやら、ちょっとキレ気味で言った。
「女じゃなかったら、余計変じゃない?」
彼は相変わらず、クスクス笑い続けていた。
[前へ][次へ]
無料HPエムペ!