oneself
断言する。
俺はお前に、お前は俺に、
お互い捧げ合った。
「今が１番、俺の人生で綺麗な瞬間だよ。」
いつも出会いなんて交差点でのすれ違い。
気にもとめず、それぞれの行き先へ向かう。
今回は偶然、触れてしまった。
そして。残る傷跡を刻み込まれ、刻み込む。
しかしその後は、やはり何も無かったかのようにそれぞれの行き先へと向かう──‥。
ふたりの道は二度と交わらないのだから。
その場所に、戻る事すら‥もう叶わない。
あたしは‥
より確かな『傷』にするため、この純潔を。
彼は‥
更に尚深い『傷』にするため、その汚濁を。
捧げ合った。
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