negation
「出来ない。」
あっさり、あたしを否定した。
それは彼の中では簡単な事でなかったかもしれない。
しかし、否定された。
「言っただろ、一緒にはいれないって。お前は俺と共存出来ないよ。」
哀しげに目を伏せるが、そんな事まで気を回している余裕はない。
「じゃあどうして、あたしに近付いたの!?どうして、あたしの気持ちをかき乱すのよ!?受け入れる覚悟もないくせに!
だったら、中途半端に優しくしないで!!」
暴言にしか聞こえない、あたしの魂の叫び。
どう思われてもいい。
酷く傷付けてもいい。
想いの全てをぶつけずには、いられなかった。
「それが俺の、自己中心的な欲求。」
「自己中もいいトコだよッ!!あたしの事なんか、何も考えてくれてない!」
『好きだ』と言いながらも、『一緒にいられない』?
どうしたらいいか解決法も選択肢も、何もないじゃない!
「俺は、死ぬまで夏音を忘れない。
お前も、死ぬまで俺を忘れないで。」
この感情は、果たして
愛と呼べるの──‥?
[前へ][次へ]
無料HPエムペ!