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thief
「それ、あたしのサンドイッチ〜!」


ご丁寧に、缶コーヒーまで開けられていた。



男は全て平らげ、

「うまかった。」

と、あたしにゴミを渡す。






‥唖然。






勝手に人の物食べといて、しかもゴミを渡すか!?フツー!!




「何なんですかッ!」

何者かも分からない相手に、あたしは噛み付く。

「腹、減ってんだ。」

「だからって、こんなの泥棒じゃないですか!」

金額なんか500円かそこらだけど、こんな図々しい人は初めてだ!




「だから、腹減ってんの。」

すっと、あたしが買ったカップラーメンを渡す。

それを乱暴に取り上げた。




「‥あ、取られた‥。」

肩くらいまでの髪が邪魔して、今まで良く見えなかった男の顔。

その顔を見た瞬間、あたしは大笑いした。


「ベスとおんなじ顔してるぅ〜!」

「‥ベス?」

「うん!実家の犬!!その『取られた』って顔〜。」

男は、目を細めた。

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