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「びっくりしたよ。夏音ちゃん、この時間まで来ないからさ。」
学校で勝平くんはいつも通りに話しかけて来てくれた。
彼は爽やかで明るくて、誰にでも別け隔てなく親切な人。
「あは‥。昨夜、ちょっと眠れなくって。」
結局、あたしはあの人の手を縛らなかった。
おかげで中々眠れず、朝方まで覚えている。
「夜遊びでもしてたんだろ〜?」
ある意味、夜遊びよりスゴい事かも!?
「違うよっ。本、読み出したら止まんなくなっちゃって。」
罪のないウソ‥だよね。
「あ〜、分かる分かる!俺もこないださぁ‥」
いつもなら楽しくて仕方ないはずの、勝平くんとの会話。
なんか‥今日は‥。
ダメだ、気になる‥。
どうしよう。あたし、鍵かけて来ちゃった。
部屋に入れなくて困ってないかな‥。
大丈夫かな、迷子になったりしてないかな‥。
行くトコ、ないんだよね?
「‥で、夏音ちゃんはどこがいい?」
「へぇッ!?何が?」
全く、話しが頭に入って来てなかった。
「帰りどこ寄ってく?今日は早苗、来れないけど。」
早苗ちゃんて、勝平くんの彼女。
いつもゼミの仲間でファーストフードの店に寄り道してるのだ。
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