残したいもの 「ははっ。超あり得そう、龍二さんなら。」 「宇夢く〜ん、笑い事じゃな〜い…。」 聖菜ちゃんはどんよりしてる。 「冗談冗談〜。安心しな、コイツはさ。」 アッケが龍二サンを指差し、 「子供、作れねェ体だから。」 と言った。 「はぁッ?」 聖菜ちゃんが聞き返す。 「うん、ホント。そうなんだ。」 「不能すか?」 「違うよ、そっちじゃないよ!種がないの。」 私はこれでも一応、産婦人科に通っていたので会話の意味が分かった。 けど昔、彼女を妊娠させたんじゃん? なんで…? 会話の意味は分かっても、疑問符ばかりだった。 まぁ、いいや。 別に私、龍二サンの子供が欲しい訳じゃない。 [次の章へ] [前へ] |