いつも、誰かがいる家 「ご兄弟はいらっしゃらないの?」 アッケサンのお母さんに聞かれた。 私は一人っ子で、父は海外で働き、母も私が幼い時から仕事を持っている事を話した。 「そんなんじゃ、これからココで生き残れねーぞ。」 紫亘サンは笑いながら言う。 「ま、ご覧の通り、ざっかけない家ですから。」 アッケサンのお父さんが初めて口を開く。 「戸惑う事もあるだろうけど、よろしくお願いしますね。」 私も慌てて頭を下げた。 「おねーちゃん、なんでじぃじにゴメンナサイしてるのぉ?いたずらしちゃったのぉ?」 食事で汚した服を着替え終わった瑠衣ちゃんが、私の頭を撫でてくれた。 また一同で笑う。 なんでアッケサンがいつも明るいのか、分かった気がする。 ここが、彼の原点。 [前へ][次へ] |