…しました。 「なんか俺に対する禁止事項やったら多くね? タバコ吸うな、トイレ使うな、シュークリームもくれねェし…。」 「それ、ずっと前の袋だと思うよ。 あとタバコは俺も吸わない。」 「あァ、お前禁煙すんの?協力しろってか?」 「今だけ、ね。てな訳で、限界なんで。」 龍二サンは、庭に出て行こうとした。 「おいコラ、待て。お前が話しあるっつったんだろが!」 「違うよ、ヒトミちゃんから。」 パタン、と、窓を閉めた。 「ん、だから何ょ?」 言わなきゃ。 ちゃんと言わなきゃ。 私はゴミ袋を握りしめ、頑張って口を開こうとした。 …出来なかった。 変わりに、震える手で袋を渡す。 「ん、何コレ。」 カサっと袋を開け、アッケサンが覗き込む。 紙の箱も説明書もスティック本体も、全て一緒くたに入れていたので… すぐ分かったようだ。 「…妊娠、したんか?」 私は、コクンと頷くのが精一杯だった。 [次の章へ] [前へ] |