泥沼
ヒル魔×まもり
「私ね、ヒル魔くんのことが好きみたい」
「…重症だな」
「寝ても覚めてもヒル魔くんのことで頭がいっぱいだし、これは絶対恋だと思うのよ」
「しかも末期ときた」
「で、一回そう思っちゃったら答えはもうそれしかなくて」
「そこまでいくと憐れだな」
「私、ヒル魔くんが好きだったの」
「…あのな、糞マネ」
「そうやって考えていくとね、不思議なんだけどヒル魔くんも私を好きなのよ」
「…姉崎、」
「と、云うことで。そんな結論が出たんだけど…どう、正解？」
「そういうことはこーなる前に云うモンだと思うが？」
「じゃあ聞くけど…ヒル魔くん、私に考える時間くれた？」
「……忘れた」
―――成り行きじゃないし自棄でもない、どうでも良かったワケじゃないし流されたワケじゃない。突き詰めるなら『恋』、だった。
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