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君の声が聞こえない
※故泉ネタ注意 





みんなおかしい。

ハルヒも朝比奈さんも・・・長門もだ。


あいつはここにいるのに。

ほら、声だってちゃんと出してるじゃないか。
今だって・・・「キョン君」って、いつもと変わらない心地いい声で俺のこと呼んでいるだろ。



そんな怒鳴らないでくれよハルヒ、俺にはお前の言ってることがよく理解出来ん。朝比奈さんもどうしてそんなに泣いているんですか。
二人とも、あまり騒がしいと古泉の声が聞こえなくなるじゃないか。
なあ長門、お前も黙ってないで何か言ってやってくれよ。

「古泉くんはもういない」・・・?勘弁してくれよ。お前は例え人に迷惑かけても、仲間は守るタイプだっただろう、ハルヒよ。


みんなおかしい。

・・・ハルヒも朝比奈さんも長門も。

だってそうだろ?あいつは確かにココにいるのに、どうして誰も分かってくれないんだ?


嗚呼、うるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさい。




確かに目の前にいたはずなのに、どんどん二人の怒声と泣き声が遠くなっていく気がするのは何でだろう。


視界に映るのは、泣き叫ぶハルヒでも崩れ落ちる朝比奈さんでも、どこか物言いたげな長門でもない。
ただ・・・原色が彩る丸い点滅の残像だけ。

赤色は『止マレ』。
黄色は『気ヲ付ケロ』。




青色は、――『進メ』。

・・・さあ、最愛の人に逢いに往こうか・・・。




それなのに・・・どうしてお前はこんな哀しそうな声で、ずっと俺の名前を呼び続ける・・・?



今の俺には、もう雑音すら耳に届かない。


車のクラクションが、俺の聞いた最期の『音』だった。




宙に浮かんだ俺の身体が、地に落ちるまであと・・・――



(飛んだとき、空に手を伸ばせば、君の居る場所に近づけた気がした。)



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簡単に言うと、キョンが、神人退治か不慮の事故かで故泉となった彼を追って、的な←
キョンの聞いた古泉の声は、キョンの妄想。本当に呼ばれてる訳じゃないと思います。





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