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とりっくおあとりーと??B




や「いいよいいよ!やっちゃおう!」

冬「じゃあ草鹿、浮竹にこう言ってくれ。」


冬獅郎がやちるに耳打ちをすると、やちるは「おっけ〜!」と言って浮竹の所に来た。


や「うっきー

浮「何だい?」

や「とりっくあんどとりーと!」

浮「へ?」


少しだけ変わった場所があり、浮竹は間の抜けた返事をした。


浮「『おあ』じゃなくて『あんど』?」


首を傾げる浮竹に、見ていた冬獅郎が質の悪い笑みを零しながら答えた。

冬「『Trick and treat』。お菓子くれても悪戯するぞ? だ。」

浮「えっ


マジで みたいな顔をした浮竹に、冬獅郎はニヤリと笑いながら片手を前に差し出した。


冬「さあ、お菓子くれよ、浮竹隊長?」






彼の口にある吸血鬼独特の牙がギランと姿を見せ、正直少し怖い。どうやってつけたのかは分からないが、本物に近いかもしれない。浮竹は恐る恐るお菓子を二人に渡した。


や「わ〜いお菓子〜


やちるが素直に喜んでいる中、冬獅郎はどこから取り出したのか、小さなブラシとチューブ型の容器を持っていた。


浮「何だいそれは?」

冬「白髪染め。」




浮「……………………………………………………………………………………………………え?」




予想外の物に浮竹は口をポカンと開けたまま固まった。すると冬獅郎がブツブツと詠唱をし始めた。


冬「縛道の九十九『禁』」

浮「んな………!?」


急に鬼道をかけられた浮竹は完全に動けなくなってしまった。動けなくなったのを良いことに、冬獅郎は浮竹の髪に白髪染めつきのブラシを通しながらこう言った。


冬「真っ黒にして卯ノ花隊長みたいに前で編んでやるよ。あ、あとほどけねーように超強力接着剤と木工用ボンドでカピカピにするからな。」


地味に嫌な悪戯に、浮竹は明日の隊首会での卯ノ花の反応が恐ろしくなり、沈みまくった。





冬「……………………ぷっ」

浮「………………………………。」


冬・や「あはははははははは〜〜〜〜


おなかを押さえて爆笑し始めた二人。その横でどん底まで落ち込んだ十三番隊隊長。前で結ばれた三つ編が超強力接着剤と木工用ボンドでカピカピにされてテカテカしている。


冬「これを期に斑目みたいにスキンにしたらどうだ?」

や「つるりんぱちんこまるぼうず〜〜


一角に対する悪口を三連発するやちる。本人がこの場にいたら隊舎は無事では済まないだろう。


冬「んじゃまた明日〜

や「ばいば〜い


隊舎を去っていく二人の背中を見送りながら、浮竹は深いため息を吐き、風呂で髪を洗うためにはどうしたらいいか考え始めた。





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