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不器用に恋をうたう


リボ→風




目を覚まして時計を見ると九時だった。確か待ち合わせ時間は八時半だったはずだ。完璧に寝過ごしている。
でもまあ待ち合わせ相手はあのスカルだし(というかただアッシーになってもらうつもりだけだった)あと二時間くらい遅れてもいいかと時計を投げたとき、泊まっている部屋の扉がコンコンとノックされた。



「やあ、リボーン」
「……何でお前がいるんだ」

誰だスカルの野郎だったら容赦なく蹴り入れるぞという勢いで扉を開けると、そこには間抜けな後輩ではなくいつも笑みを絶やさない友人がいた。

「八時半に集合だったのに、君がいないって言うから迎えに来たんだけど」
「ああ悪い…じゃなくて、何でお前がイタリアにいる?」
「少し用があってね」

首をすくめて苦笑するところを見ると、あまり気の進まない用事だったらしい。

「帰ろうとしたら、丁度君が香港に向かうっていう情報が入ったんだよ。だからあやかろうかと思って」
「もう行かねーぞ」
「……は?」

珍しく呆気にとられた顔をした風を見てくぐもった笑いを漏らし、リボーンはその細い腕を引く。

「入れよ」
「え、ちょっ…」

抵抗などまるでしなかった風を部屋に入れて、リボーンは一人掛け用のソファに腰を降ろさせる。

「何するの」
「いいから前向いてろ」

大人しくなった風の三つ編みを手に取り、結んであった紐を解く。
「あー、このままは無理か…編み直すぞ」
「いいけど、何するの。ねえ」

目だけを上向けてくる彼に溜め息をついて、置いてあったスーツケースから小さな紙袋を出す。

「何、それ」
「お前、この前誕生日だっただろ」

誕生日、という単語に風の目が大きくなった。リボーンはそれを見て笑いながら、紙袋から小さな髪留めを出す。

「丁度仕事で何もできなかったからな、遅れたけど」
「……別にいいのに」
「俺はよくねえ」

風はふうんと息を漏らし、背もたれに体を預けて、あーあと声を上げた。



「飛行機のチケット、取らなきゃね」













スカル放置プレイ。
髪留めを渡しに行くためだけに香港に行くとかどんだけ暇ry










あきゅろす。
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