逃げて逃げて、こころのなかで リボ→風 目が合うとじわり、と熱が広がる。そんな気がするだけなのだが。 熱を逃がすために息をつくと、彼はめざとくそれを感じ取り、私にどことなく視線を向ける。どうやら何か切羽詰まったような溜め息をついているらしい。 何でもない、大丈夫だと言うのだけれど、彼はどう思い感じたのか、当分目を逸らすことはないのだ。 いや、実のところ、私は彼の視線の意味を感じ取っている。もしかしたらそう思っているだけなのかもしれないが、それでも、解っているつもりなのだ。 君はそれでも私に視線を向ける。 (君は何を求めているんだい?私の答えだと言うつもりかい?それは絶対に得られないものだというのに。) 君の目は、いつだって語っているのだ。 (結局私は自分自身に言い聞かせているだけだけなのだ。)(と、解りきっていることを考える。) |