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アクシデント・パニック2(紅鬼様15000hit祝い、ブレイク組+αギャグ)
*短編の『アクシデント・パニック』1、2の続きです。身体入れ代わり設定もそのままなギャグです。

それでも大丈夫ならばどうぞ。













『アクシデント・パニック3』
  〜(ブレイク組+α)〜


俺と円堂と豪炎寺の身体が入れ代わって一日…。
サッカー部のチームメイトは、案外あっさりとその事実を許容してくれた。

その事はよかった。
正直、皆信じてくれるか不安な部分があったから。
こういう時ほど、雷門メンバーの間での信頼感が伺える時であると思う。

ただ…あれから解決策と言える策が全く浮かんでいない…という事実もそのままになっていた。
結局、その事実が変わらない事には、この問題はー…

「ーなあ、この場合、俺は豪炎寺の姿の鬼道と鬼道の身体の円堂と、どちらを彼女にすればいいんだ?」
「……風丸、冒頭の俺の真面目な心の声をバッサリ切り捨てる台詞をはかないでくれ…。それと女じゃない」
「風丸、そういう時はとりあえず二人共キープしておけば問題ないぞ」
「ーって、お前は頼むから黙っててくれ、豪炎寺!?」
ああ…今日も今日とて雷門のエースストライカーの「どうだ!」と言わんばかりの笑顔が鮮やかで眩しい。
ついでに頭の中も絶好調に鮮やかなみたいだがな。
そう、心の篭ってない笑みを浮かべて空を仰ぐ。

「お兄ーちゃーん!」
「っ!?この声は?!」
聞き間違うはずもないその声に、勢いよく後ろを振り向く。
するとやはり当然そこには予想通りの人物である春奈がこちらへ走り寄る姿が目に飛び込んだ。
ああ…この変なのに囲まれた状況に差し込む天使のような姿だな、春奈は。

「お兄ちゃん、身体が入れ代わっちゃったって聞いて…」
「あ、ああ…そうなんだ」
そんな心配そうな顔して走って来てくれるなんて…俺はなんていい妹を持ったんだ。
自然と、顔が綻んでいくのがわかる。

「お兄ちゃんは豪炎寺先輩の身体で…、で、お兄ちゃんの身体には円堂先輩なんですよね?」
「おう!鬼道の身体ってさ、尻の部分にホクロがあるんだよな!」
「ーって、ぅおおおい!えんどおぉぉう!?一体いつ何処でそんな変な場所のホクロ確かめたんだ?!てか、それを人の妹に暴露するなあああ!?」
あの照らされるような笑顔を浮かべて、「照れるなよ、わかってるから大丈夫!」と自信満々にウインクしやがった円堂。
一体何がどうわかってるのか、原稿用紙にわかりやすく書いて来い。
今なら俺の面してるから殴りやすいな、てか殴っていいか?

そんな俺の行動より先に動いた春奈。
俺の身体をした円堂の腕をしっかり掴んで。

「キャプテン!私…キャプテンにならお兄ちゃんの事、任せられます!お兄ちゃんの事よろしくお願いしますね!」
「いやいやいや、は、春奈?!なんか凄い誤解されそうな台詞なんだが、ちょ?!」
「うわ…円堂、妹である音無に信頼得ている辺り、キャプテンとしてさすがというべきか…」
「待て音無!俺の方が鬼道の身体をしっかり愛情持って大事にしてやれる自信がある!…という事で、円堂、その身体譲れ!」
「…まだ諦めてなかったのか、豪炎寺」
「といいますか…何か豪炎寺先輩の言葉に若干のよこしまな心が見え隠れしてるんですが…」
円堂と豪炎寺は諦めるとして、風丸と春奈…ツッコミ入れてくれるのは嬉しいが……。
気のせいだろうか?俺の心の天使である春奈が来てから、ますます話が悪化して……いやいや、そんな事はない!断じて!

「でもそうなると…今後は私のお兄ちゃんは円堂先輩になるのかな…?」
「え?!…『お兄ちゃん』かあ…。俺一人っ子だからなんかいいな!」
「いや待て円堂っ!!春奈が兄と呼ぶのは俺だけだ!」
「…何だろう、鬼道が豪炎寺の姿でその台詞言っても、全く違和感ないんだけど…」
「まあ…鬼道も豪炎寺もどっちもどっちなシスコンぶりだからな…」
「待て風丸!それだけは聞き捨てならないぞ?!シスコン度では俺は誰にも負けない!誰にも譲れないっ!」
「いや…豪炎寺…張り合うな張り合うな」
「シスコンだって言うのを認めちゃったよ…」
空笑いを浮かべる円堂と風丸を横目に闘魂を燃やす豪炎寺。
だが悪いが俺はそんな事よりも、春奈のお兄ちゃんポジションの方が大事だ!
俺のNo.1優先事項だ!
春奈にお兄ちゃんって呼ばれなくなったら、本気で泣くかもしれない。

そう、悶々としていると、切り替えが早いのか何なのか、先に落ち着いた豪炎寺が「あ、」と声を上げた。

「どうした、豪炎寺?」
「……大変だ!妹と言えば、この円堂の姿だと…夕香に会いに行けないし、ましてや夕香を抱きしめてやれないじゃないか?!どうしたら…鬼道っ?!」
「い、いや…円堂が相手なら夕香ちゃんも…」
「でも『お兄ちゃん』って呼んでもらえない…」
「その気持ちは理解してやれるが…」
「という事で円堂、やっぱり鬼道の身体譲ってくれ!鬼道の身体なら俺の将来のお嫁さんだって挨拶できるから!」
「だから何でそうなるんだ?!この馬鹿者ぉぉっ!!!」
「……なんか…意外と皆、入れ代わっても深刻さが伝わらないよな」
俺の叫びがこだまする中、ハハハ…と苦笑いする風丸の声だけが、結局今回も何も変わらなかった…という事実だけを残していた。



**************

短編にあった入れ代わりネタの続きですが…。どうしても春奈を出したかったので。
春奈は円堂を尊敬してる節があるから、絶対円堂にならお兄ちゃん嫁がせて…あれ?
ちなみに、鬼道さんの身体のチェックはぬかりないですよね、キャプテン!
…お尻にホクロあったら可愛いなあ…。

何だか中途半端になってしまいましたが。入れ代わりネタの続編、紅鬼さんのサイトの15000hit祝いに捧げます!おめでとうございますー!


2010.10.28

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あきゅろす。
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