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TOG・TOGF
midnight (AH)

黒で染まった部屋。
窓から見える空は雲で覆われている。
星は見えない。
雨も雷も風もない。
静寂に満ちた世界。

部屋にあるのは少しの家具とベットのみ。
そのベットに居るのは、ぼくと兄さん。
 愛しい兄さん
真っ黒な家具、真っ黒な空。
そのなかで抗う色はぼくの服の青と兄さんの服の白。

「ヒューバート」
名前を呼んでは強く、強く抱きしめる。

「好き」
ぼくは消えたりしないのに強く、強く・・・。

「兄さん」
時々つぶやいては闇に沈んでいく声。
そして唇を重ねる。

何が兄さんをこんなに執着させているのかわからない。
それでも、此の時が愛おしい自分がいる。
兄さんの瞳は昔のように澄んだ青。
ぼくと同じ色。
けれどそれは囚われている人の瞳でもある。

七年の年月で隔てられた隙間をうめるように
現実と常識に逆らいながら、
名前を呼んでは強く抱きしめあい、
愛の言葉をつぶやいては唇を重ねる。



・・・ミッドナイト・・・
 真夜中の理から外れた契り
 誰にも知られてはならない秘密の時間
 存在を確かめるように
 今日も、明日も、これからずっと・・・。


…end…


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