Packaged in the dark
其処は暗闇だった。
目を開けても閉じても変わらない。
僕は気付いたらそんな場所に立っていた。
いや、もしかしたら浮いているのかもしれないし、寝ているのかもしれない。
それすらも分からないくらい、深い闇だ。
不安に駆られて僕は叫んでみた。僕の心を捉えて離さない、僕の全てともいえる人の名前を呼んだ。
呼ぼうとした。
───声が出ない…!
なんで、どうして君の名前を呼ぶことが出来ない!?
僕が不安になったり、苦しんでいたりするといつも僕のところへと飛んでくる(文字通り、ガンダムで飛んでくることもあった)のに、なんで来てくれない!
こんなに叫んでいるのに音といえるものが口から出ていない。空気の震動も伝わってこない。
どうして。
どうして、アレルヤ。
いつからだっただろうか。
君が僕のなかに入ってきたのは。
「ティエリア、君のことがすきなんだ」
そう言われたときには既に遅く、僕は君のなかで溺れていた。
そうだ、君が僕のなかに入ってきたんじゃない、僕が君に惹かれて、足を掬われ、呼吸を奪われたのだ。
「愛してる」
と言われると、嬉しい自分と、「本当に?」と疑っている自分がいた。
アレルヤのことなんて、疑いたくないのに。
だから僕は、アレルヤに自分の気持ちを口に出したことはない。
心は、こんなにも叫んでいるのに。
苦しい。
精神的に限界がきているのか、上手く呼吸が出来ない。息苦しさからなのか、目に涙が滲んでくる。
───アレルヤ。
僕がこんなにも苦しいのは君の所為なのか?先程から君のことしか考えられない。嗚呼、君の名前が呼べない喉など潰れてしまえば良いのに。
「―ァ」
かすれた声が出る。
伝わらなくても声に出したい。
強く、強く、彼のことを想う。
目の端の方に、光が見えた気がした。今しかないと思った。
アレルヤ。
アレルヤ。
「愛してる」
瞬間、光が僕を包んだ。
まるで、僕のだいすきなひとのように。
end.
―――――
突発的なものです。
精神世界みたいな感じ? アレティエ要素少ない…!
こういうののアレルヤ編も書いてみたいです。
もに
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