やっと会えた、そう思えば切なくて涙が出てきた。宏光の制服にも血がべっとりついていて、それが無性に嫌だった。宏光は汚れちゃだめなのに、宏光は…宏光は…
ギュッと抱きつくと戸惑いながらも抱き返してくれて、それが今のあたしにはちょうど良いくらい気持ち良かった。会えただけでもう何も言えない。
このゲームのことなんて何もなかったように、あたしはまた一から宏光と歩き出したい。またあの日のように、
そう考えたらやっぱり、生き残るべきなのは宏光で…。あたしが幾度となく好きだと思った宏光しかいない、あたしは宏光のためなら喜んで盾になるよ
「…名前、」
「や、だ。呼ばない、で」
呼ばれたらあたしはきっと生きたいと思ってしまう。全てを捨てて宏光と生きたいと、願ってしまう
あたしは宏光さえ生きてたらそれで良いんだって、そう思ってるもの。だから、だからあたしは───
「名前、俺は」
宏光が何かを言いかけたあとに、また放送が入ってこの鉄塔は禁止エリアに入ってた。溜め息を吐いた宏光に手を握り締められて、銃を拾い宏光と鉄塔から出た。あたしのマシンガンは宏光に、宏光の銃はあたしに。
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