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森を突き抜けて行くと海があって鉄塔があった。少し錆びているドアノブを引っ張って、中に入ると1階を見回してから階段を見つけ2階に上がった。上がったと同じくらいにガチャリとまた鉄塔のドアが開いた。

ポケットから銃を取り出すと、そのまま相手の行動を待った。…早くどっか行けよ、俺は死ぬわけにはいかないんだから、早く‥!

けれど、いくらたっても相手はどこかに行く様子はない。…殺られる前に殺らなきゃ…。わざと足跡をたたせて下に降りて行くと、1つの部屋の前に立ち止まり銃を構えた。

銃を握り締めると鈴木のことが頭の中に浮かんだ。鈴木のときみたいに、あんな冷静に殺せるのか?…っ、

バッと飛び出してきた人影に一歩遅れて銃を構えた。……構えたと同時に腕の力が抜けた、ふらりと下に向いた銃口。目が合ったとき泣きそうになった。

どうして、どうしてここにいるんだ


「っ、!」
「…………え」


かすれた声、久しぶりに聞いた声は他の誰の声よりも身に沁みて嬉しかった、嬉しかったんだ


「…名前」
「ひ、ろみ、つ」





男なのに、
すっげ泣きそうになった




 



あきゅろす。
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