2人乗りって憧れる
「よし、行くぞなまえ!」
「ちょっと待った!エースさん、やっぱり女の子は横向きで座るべきですか!?」
「はっ?!なんでもいいだろ!」
「このバカ息子!女の子なら一度は雫と聖司くんに憧れるものでしょ!?」
「だれがバカ息子だ!しかも雫と聖司ってだれだよ?!」
うーん…これは悩むぞ!でもキキとトンボにも憧れる…そう考えれば跨ぐのもアリだな…ってジブリネタ多いな、あたし!よし、ここはあえて…
「エースさん!立ち乗りしますっ!」
「もう何でもいいから…」
すでに、サドルに座りチリンチリンとベルを鳴らし走る気満々のエースさん。肩に手をおき準備おっけーです!発車オーライ!と叫べば、軽快にチャーリーは走り出した。
「うわぁー風が気持ちいい!エースさんもっとはやく!」
「振り落とされるなよっ」
「わっ!?やばっ!はやいはやい!怖いこわい!ぎゃあああああ!?!!」
いきなりのスピードアップにびっくりして叫びまくるあたし、おもしろがってどんどんスピードをあげるエースさん、チリンチリンとベルを鳴らしすれ違う船員たちを驚かしながら船内を暴走するあたしたちは、コンビニの前でたむろしているヤンキーと同じくらいたちがわるいと思う。
「ちょっ、ちょっとまじで一回止めてください!」
「はははっ、しょうがねーな……ってあれ?なまえヤバいぞ!」
「なにがヤバいんですかぁああ?!」
「ブレーキが利かねェええー!!」
「はっ!?ありえない…」
いや待てよ、確かあたしがトラックにぶつかりそうな時にブレーキが壊れててひかれたんだった…そうだ!チャーリーのブレーキが壊れてるの知ってて乗り続けてたんだ!自業自得じゃんあたし!!
しかも前方に見えるのはジョズ隊長!このスピードでぶつかったら、いくら頑丈そうなジョズ隊長でもあぶない!自転車にひかれて命を落としたとなったら、海賊なのにカッコ悪いぞ!
「ジョズ隊長ー!?どいてぇええ!」
「あぶねーぞ!ジョズ!!」
チリンチリンチリンチリン
あたしたちの必死の叫び声とチャーリーのベルの音が鳴り響く。だけど、もうおそかった…。
どーーーん!!!
ジョズ隊長と正面衝突…しかも吹っ飛ばされたのはあたしたちのほうだった…(ちょっと、なにあの体の硬さ!?)
バッシャン!バッシャン!
2人仲良く海に落ちた。必死にもがきながら海面に顔を出せば、ジョズ隊長がエースを助けろ!と叫んでいる。そういえば、悪魔の実を食べたらカナヅチになるんだっけ!?息を深く吸い、海にもぐれば力無くぐったりしてどんどん沈んでいくエースさん!(イヤだ!死なないで!)
ただエースさんに死んでほしくなくて、無我夢中で海面までひっぱった。騒ぎに気づいた他の船員たちにも助けられ、あたしたちは無事船の上までたどり着いた。
「はははっ!ありがとうななまえ
!死ぬかと思ったぜ!」
「ちょっとなに笑ってるんですか!?まじでエースさんが死ぬかと思って怖かったんですからねっ!」
「まあ、死んじまったら…そんときはそんときだ!」
はははっと楽観的なエースさんに頭がきて、じゃあ死ねと首をしめようとしたら、意外と首が太くて最後まで指が届かなかった。(チッ、くやしい)すると騒ぎを聞きつけたマルコ隊長にお前ら2人とも反省しろよいとゲンコツされた。罰として今夜の夕食が抜きになった…(あんまりだ!!!)
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