精神的疲労に悩まされる
新しいファミリー、白いトラ…じゃなくてホワイトタイガー(こっちのほうがかっこよくない?)のトシオのために、ただいまエサの捕獲中。
「釣れないなー」
「釣りは忍耐勝負だろ」
「ぶぅー」
「そんな声だしたら、ほんとにブタに間違われるぞ」
「ブタじゃなくてブー太郎だぶぅー、ちなみに妹の名前はとみこだぶぅー」
「………」
「………」
はぁ…スルーされたのはおいといて…それにしても全然お魚釣れないなあ。もうかれこれ3時間くらいしてるのに、1匹も釣れないとか…我ながら情けない。
「やっぱりこのエサじゃダメなのかな」
「?」
不思議そうな顔のエースに竿をまき、釣り糸の先についているエサ(ボンキュッボンな水着の女性=通称キャサリンが映った写真…濡れないように加工済み)を見せたら、あたりまえだろって殴られた…地味に痛い。
「ほら、ちゃんとしたやつ付けてやるから」
エビっぽいのをあたしの釣り糸につけるエース。取ったキャサリンの写真はちゃっかりポケットにしまいやがった。それは今夜のオカズですか?ムッツリめっ…って今はエースの夜事情なんてどうでもいい!このままじゃトシオにご飯をあげれない!
「トシオ!あんたのためにママ頑張るからねっ!」
「………………おい、」
「ん?なーにー?」
「なーにー?じゃねーよ!なんでお前トシオと遊んでるんだよ」
先ほどの気合いはどうしたのか、いきなり釣り竿を放置し、トシオとじゃれはじめるなまえ。
「だってトシオが寂しいって、ねえートシオ?」
なまえが問いかければくーんと返事をするトシオ(ちくしょう、かわいいなっ)頭を撫でようとしたら、思いっきり噛まれた(やっぱり、かわいくないぜ)
「っていうか…ちょっと、いや、かなり…飽きた!(どーん)だってぜんぜん釣れないんだもん!トシオと遊んでたほうが楽しい!」
「テメェ…それでもトシオの母親か!?」
「母親?あなただって…キャサリンと毎晩イチャイチャイチャ…あたしの存在ってなんなの!?あなただって父親としても夫としても失格じゃない」
「父親?夫?いや、なに言って…」
「うっ、ひどい!ひどいわ!あんなに愛してるって言ってくれたあなたはどこにいったの!?」
「なあ…」
「なによ、まだあたしを地獄に落とす気なの!?」
「いや…さっきから何してんだよ?」
「なんかエースが昼ドラみたいなセリフ言うから…つい…えへっ」
「…………」
もうこいつにはついて行けないぜ。なんかおれまでアホになっていきそうだ!なまえをスルーし釣りに集中すれば、ちょっと!恥ずかしいからなんか言ってよと顔を真っ赤にして騒ぎ出す(こいつにも恥かしいという気持ちがあったのか…)
けっきょくその日は1匹も釣れなかったが、コックがトシオの分のエサを用意していた。なまえはトシオが餓死しなくてすむと喜んでいたが…(釣りなんかしなくてよかったじゃねーかよ!無駄に疲れちまった!)
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