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友達と思って手を振ったら別人でした




「あれっー、ウソップじゃん!あっ、焼きそばパン買いに来たんでしょ(びしっ)」
「はい?」

振り返れば、わしのアイドルなまえちゃんがなつかしのゲッツのポーズをしながら立っていた。だれかと勘違いしているらしく、どんどんわしに話しかけてくる(嬉しいけど複雑じゃ)

「おい、コロッケパン買えたか?」
「いやまだじゃ…」
「さっさとしろよな…って、なんでなまえがいるんだよ」
「パウリーさん、なにそのうぜーこいつみたいな目は?失礼じゃないですか」
「うぜーからいいんだよ」

わしの存在を忘れてるかのようにケンカし出すパウリーとなまえちゃん(怒った顔もかわいいのう)

「パウリーさんこそ、ウソップをイジメないでください!ウソップは焼きそばパンを買いに来たんですよ」
「はっ?ウソップ?だれだよ、それ」
「勇敢なる赤点の戦士、追試の王ウソップとは彼のことです(ドーン)」
「いや、あの…わしは、」

わしの鼻を指差し、誇らしげに自慢するなまえちゃんだが、いい加減人違いなことに気づいてほしい(それにしても追試の王とはイヤじゃな)

「なあ、10円足りなかったんだ、貸してくれ!」
「うわあっ!エース先輩!?」
「あっ、この前の…足は大丈夫か?」
「はははははい、自然治癒力バッチリでした」
「ぷっ、お前ウケるな!あっ、カク10円貸してくれ」
「ほれ」
「さんきゅー、ちょっと買ってくる」

いきなり現れたエース先輩には驚いたけど、目の前のウソップがエース先輩に10円を貸してあげてるのも驚いた。でもさっき、パウリーさんにウソップを紹介したときに見た鼻がいつもとちがう気がした…しかもカクって言ってたよね…ん?まさか!?

「あ、あのう…もしかしてウソップじゃないんですか?」
「わしはカクじゃ」

ああ、なんという人違い!パウリーさんがお前、ほんとにアホだなと爆笑している(よく見たら鼻が四角だしっ)

「ぎゃあああ!失礼しました!てっきりその長いお鼻が友達のウソップと似てたので…死んでお詫びします」
「いや、そこまでしなくても…」
「じゃあ!よかったらこれどうぞ!プリンパンです」

あたしは恥ずかしさのあまり、今日の食後のデザートになるはずだったプリンパンを渡しその場を後にした。プリンパンは悲しいけどエース先輩と話せたからラッキー!

「なあ、パウリー」
「なんだ…」
「わし、なまえちゃんと話せたんじゃ!しかもプリンパンまでもらったぞ…もう幸せじゃ!」
「あ、ああ…よかったな」

てっきり人違いされてヘコんでるのかと思いきや(こいつもバカだったな、忘れてた) すっかり舞い上がってるカク…かなりうざい、すると両手いっぱいにパンを抱えたエースが戻ってきた。

「わりい、どれにするか迷ったから全部買っちまった」
「べつにいいぞ、10円も返さなくていいからな」
「まじかよ!ってか、カクのやつどうしたんだよ?」
「ああ…なまえと話せたうえに、プリンパンまでもらえて喜んでるんだ」
「なまえって自然治癒力のあいつか?」
「ああ…って、お前知らなかったのか?!」

あいつがカクのアイドルのなまえだったのかーと納得し出すエース…どこであいつと知り合ったかは知らねえがお前はなまえにストーカーされてるんだぞとは言えなかった。



「わしは一生このプリンパンは食わんぞ」
「じゃあおれにくれよ!」
「ダメじゃ、観賞用にするんじゃ」
「きもい」






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