迷子の子猫ちゃんなんかに、ならないでね
教室に移動する新入生の中でひときわ目立つ頭の持ち主に思わずあたしは駆け出した。
「やっほーマリモ!」
「あぁ?だれがマリモだ?!ってなまえじゃねーか、」
このマリモヘアーが目印のゾロとは中学3年間ずっと一緒のクラスで、そりゃあもうのび太とジャイアンのような友情でつながっている。
「ゾロが迷子にならないように、優しいなまえちゃんが一緒に教室に行ってあげよう」
「うぜー、ってかお前何組だった?」
「あたしは1のFだよ。ゾロは?」
「はっ?まじかよ!?またお前と一緒かよ!」
「うっそー!また一緒!?やったね!またみんなで騒げるじゃん!」
「みんな?ってことはあいつらも一緒か?」
「そうだよ!ナミとルフィも一緒!でもサンジとウソップは隣のE組だったよ。残念だね」
じつは、あたしとゾロの他にも中学校からずっと一緒のクラスだったナミとルフィもなんとまた同じクラスだったのだ。だからぜったい楽しい高校生活になるのは間違いないんだよ!(サンジたちは残念だったけど…隣のクラスだしたまに、遊びに行けば寂しくないよね)
ゾロにちょっかいを出しながら歩いてたら、とうとう1のFとかかれた教室がみえてきた。ああ、なんか緊張してきた!
第一印象が大切だよね
(なに鏡見てニヤニヤしてるんだよ)
(えっ?笑顔の練習!)
(キモイからやめろ)
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