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出逢った瞬間、ビビビってきたんです




「やっぱりガリガリ君だよねー、ハーゲンダッツとか邪道」
「そうか?ハーゲンダッツもうまいぞ?」
「知ってるよそんなこと!あんな高級アイス…年に1、2回食べれるか食べれないかなのに」

(それなのに、ナミのせいで…)
ただいまコンビニからの帰り道、結局お金が足りなくてあたしとルフィは仕方なく自分たちの分のガリガリ君を買い、みんなの分のハーゲンダッツをゲットした。

「ねえ、プリンに醤油かけたらウニの味するってほんとかなー?」
「やったことねーから、わかんねー」
「今度やってみようよ!」
「いいなあっ!じゃあ酢飯も準備しようぜ」
「わさびは抜きね」

そんなくだらないことを話ながら、あたしたちは自転車で学校へ帰っていた。

「よし、ルフィ!学校まで競争しょうよ!楽しいし、アイスも溶けないし一石二鳥だよ」
「おっ、いいな!やろーぜ」
「あたしの脚力みせてやる!」

いちについて、よーいどんとあたしが叫ぶとルフィとの勝負がはじまった。人通りの少ない道をうぉおおと叫びながら、暴走するあたしたち。遠くで犬が鳴いている。

「はあ、はあ…、やっば、」
「ししし、やっぱりおれのほうが脚力強いな」

やっぱり男と女の差なのか…単にあたしの体力が無いだけか…ルフィに全然追いつけない(くそぉお、くやしい!)目の前には学校が見えてきた、このままだと負けてしまう。あたしは最後の力を振り絞り、自転車を精一杯こいだ(それはもう必死だったから前なんか見てなかったよ)

「よお!ルフィ」
「あっ、エースじゃんか!」


キィイイイン


突然のブレーキ音に気づき、前を見れば自転車を止めてだれかと話しているルフィ。あのバカん!自転車は急には止まらないんだよ!学校で習わなかったか?勢いづいたあたしの自転車はブレーキをしても止まる気配がない!(このままじゃ、ぶつかる!?)
あたしは思いっきりハンドルをきり、ルフィとぶつかるのを避けた…しかし見事にバランスを崩し地面とこんにちわ…つまり大転倒!

「急に止まるな!ルフィのバカ!」
「わりぃ、わりぃ…でもおまえハデに転けたな!すごかったぞ、いまの!」
「笑うな!バカちん!」

奇跡的にあたしのかわいい顔は無傷だったが、少し足を擦りむいていた。それなのにルフィのやつ爆笑しやがって…ムキィイイイ!

「おい、大丈夫か?」
「大丈夫なわけ、えぇええ?!」

ルフィだと思い、声のしたほうに顔をむければ見知らぬ人があたしに手を差し伸べてくれていた。

「弟がすまねーな、ほら立てるか?」
「(弟?)あっ、はい」

手を出せば、ぐいっと引っ張られ丁寧に立たせてくれた(おお!He is じぇんとるめん!)

「あ、ありがとうございます」
「いや、それより足…擦りむいてるな、保健室行くか?」
「いえいえ!こんくらいツバでもつけとけば治りますよ」

あたし自然治癒力がハンパないんで!と手を振り断れば、そうか?と心配してくれるじぇんとるめんに思わず胸きゅん!

「元気なのはいいが、あまり無茶すんなよ、」

あたしの頭をなで、じゃあ気をつけろよなと去っていくじぇんとるめん…ルフィにもじゃあな!とその人は手を振り消えていった。その後ろ姿から目が離せなかった…


ちょっと、ちょっと、ちょっと!やばいよ!やばい!


「ルフィあの人だれ!?」
「エースか?おれの兄ちゃんだ」
「兄ちゃん?!(あんなじぇんとるめんが…)」



ああ、この胸の苦しさはなに?
お母さん…どうやら、あたしにも春がきたみたいです。







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