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ガリガリ君で充分でしょ!?




自転車100メートル爆走レース…つい、若さゆえにあたしたちはそんなことをはじめた。

「どけどけー邪魔だー!」
「行けールフィ!」
「ここで負けたら死刑よ!ゾロ!」
「だったらもっと痩せろ!う゛っ…」

女の子に失礼でしょ、とナミに後ろから横腹にパンチされてるゾロ(よしゃ、仲間割れ)この勝負ぜったい負けられない!

「まじウケるー!あいつらバカだろ」
「ああ…ガキだな」
「無駄な体力を、疲れるのは麦わら屋たちだけだろ」

ただ単に自転車がないので参加できなかった3人、うらやましいだろと叫んだらぜんぜん!ときっぱり言い切られた(べ、べつに悔しくなんかないんだからね)

「よし、ルフィ!あとちょっとだ!ファイト!」
「わ、わりぃなまえ…腹へって力がでねぇー」
「えっ!?うっそん?!」

減速していくルフィ、ありえない!ゴールは目の前なのに!

「お先にしつれーい」
「ああ!ナミ」

ブーンとあたしたちを追い越しゴールしたゾロとナミ…ま、負けた。あっけなく勝負はついた。

「さあ、約束よ!なんでも言うこと聞いてもらいますからね」
「えぇーイヤだ」
「腹がへらなかったら勝ってたぞ」

ブーイングするあたしとルフィに死にたい?なんて恐ろしい言葉を口にするナミに一瞬、心臓が止まった(はあ…負けたら勝ったチームの言うことをなんでも聞くとか、そんな卑劣なことをだれが言い出したんだ!……ってあたしだ)

「言うこと聞くのは一回だけだからね!お金ちょうだいとかなしだよ」
「わかってるわよ!そんなにあたしもお金に餓えてないわよ」
「…どーだか」

なによゾロ?とナミに睨まれ石化するゾロ(うん、わかるよ!ナミは怖いよね)

「まあ、疲れたし甘いものが食べたいからアイスクリーム買ってきてよ!それで勘弁してあげる」
「えっ?そんなのでいいの?」

もっと恐ろしいことを想像してたのに…ナミだいすきー!と言いかけたらハーゲンダッツのチョコとかありえない単語が聞こえた…わっつ?

「おれはバニラよろしく」
「うちはストロベリー」
「おれもバニラ」
「おれはキャラメルっぽいの」

へっ?ちょっとちょっとなぜ勝負に参加してないおまえらまで頼むんだよ?!しかもローがキャラメルとか似合わねー!

「ちょっ、まっ…」

反論しようと口を開きかけたら、さっさと全員分買ってこいとナミに言われしぶしぶ買いに行くはめになるあたしとルフィ…(ああ、今月のお小遣いが)




280
「7人分だと1960円…割り勘しても980円の出費!?」
「わりぃなまえ…」
「なによルフィ、まっまさか!?」
「全財産38円しかねー」
「バーロー!あとで絶対返してよ」
「ししし、すまん」

やっぱりナミは怖いとあらためて実感した。








あきゅろす。
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