ベリーピンクチーク
「いらっしゃいませー」
あたしは、この町でいちばんおいしいと人気のあるアイスクリーム屋さんで働いている。制服もかわいいし、休憩時間には好きなアイスクリームも食べられるし、ほんとうに最高なアルバイト先だ。
「へえー、いろんな種類があるよい」
「ほんとだな、おいパイナップル味だって」
「なんでおれを見るんだよい」
「だって、おまえの頭」
「しね」
ちょうどピークの時間が過ぎ、みんな休憩にいき、店にはあたし1人しかいないときに2人の男の人がやってきた(男の人だけでアイスクリーム屋さんに来るなんてかわいいな)
「お嬢さん、オススメは?」
オレンジ色のハットをかぶった、男の人があたしに話しかけてきた(うわあ、太陽みたいな笑顔だ)
「期間限定のキャラメルが人気なんですけど、あたし個人のオススメはバニラですかね」
バニラはどこにでもあるけど、ほんとうにおいしいアイスクリーム屋さんのバニラは一味ちがいます!と熱弁すれば、じゃあバニラ2つと注文された。
「ありがとうございました」
アイスクリームを受け取ると男の人たちは外にあるベンチに腰かけアイスクリームを食べている。なんとなく目が離せなくてずっと見つめていれば、ふっとオレンジ色のハットの人と目があった。(あっ、どうしょ)戸惑っていると、うまいぜと口パクで言われた。嬉しくなって口元が緩んでいくのがわかる。
すると、5才くらいの男の子がアイスクリームを買いに店の前までやってきた。なにやらオレンジ色のハットをかぶった男の人が、チラチラとあたしを見ながらその子に話しかけている(どうしたんだろう?)
「いらっしゃいませー」
「おねーちゃん、チョコレートアイスください」
「はい、ちょっと待っててね」
その子は店に入ってくると普通に注文をしてきた。先ほどのことが気になるがあたしには関係のないことなのだろうと、気にしないようにその子のアイスクリームをコーンにのせる。
「はい、200円です」
「ありがとう!」
「どういたしまして」
「あとね、おねーちゃん」
「ん?なーに?」
「おねーちゃんの笑顔かわいいね」
「あ、ありがとう」
こんな小さな子に、いきなりかわいいと言われるとは思ってなかったので正直びっくりしたが、すごく嬉しかった。だけど、さらなる男の子の発言にあたしの顔は真っ赤になるのだった。
「って、あのおにいちゃんに言ってこいって言われたの」
「えっ?!」
驚いて、男の子が指差すほうをみれば、オレンジ色のハットをかぶったあの人が照れくさそうに笑っている。
ベリーピンクチーク
おにいちゃんもおねーちゃんもお顔が真っ赤っかだね
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