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ドラマチックな結末を迎えた



「はい、肉まん」
「ほら、ピザまん」
「うん!おいしいー」

あたしは肉まん、エースがピザまん、いつも2人で半分こして食べる。2つの味を楽しめて、一石二鳥だなんて言いながら、2人でこのことを思いついたときはなぜか笑いが止まらなかった。


「ああ…最後のひとくちだ、さよならピザまんさん…」
「なあ、なまえ」
「ふぁ?」


人がせっかく最後のピザまんを味わっているというのにいきなり話しかけてくるエース(もうジャマしないでよ)ごくんと、飲み込み隣に座るエースに視線をうつす。


「なに、いきなり?」
「おれ…好きなやつできた」
「……っ、えぇええ!?まじでェええ!あっ、やば!びっくりしすぎて鼻からピザまんが、」
「きたねーな」


だっていきなりそんなこと言うから…っていうか好きな人ってだれ!?あたし自分で言うのもなんだけど、てっきりエースもあたしのことが好きだから、一緒に居てくれてるんだと思ってた(勘違いとか恥ずかしい!むしろ自惚れすぎ!)


「だ、だれ?(平常心、平常心)あたしも知ってる子?」
「ああ…」
「かわいい?」
「そりゃあ、おれが惚れちまった奴だぜ」


いつもとは違う、照れながらニカッと笑うエースを見てあたしの胸はギュッと締め付けられる(ああ、苦しい…痛い)これ以上この場にはいられないと思い、あたしはバッと立ち上がり、宇宙から交信がきたから帰らなきゃ!とかまったく意味の分からない言い訳をし、ダッシュで家に帰った。後ろでエースがなにか叫んでたけど聞こえないフリをした。

その日からあたしは、エースからのメールや電話をすべてシカトした。学校に行ってもエースとは違うクラスなので、会わないように少し頑張っただけで、すれ違うこともなかった(あたしと仲良しなままじゃエースの好きな子に勘違いされちゃうもんね)
(エースとまた肉まん食べたいな…)
(もし、彼女ができたら…ちゃんとおめでとうって言えるかな)
(あの笑顔をあたしだけのものにしたかったな…)




授業中も先生の説明なんか頭には入らず、考えるのはいつもエースのことだけ…会わなくなってから余計にエースのことが好きだったんだと気付かされる(はあ、でもエースのことは、あきらめないと…)そう決心しかけた矢先だった、突然教室のドアが勢いよく開いた。そしてそこに立っていたのは紛れもなく、あたしの脳内を支配している中心人物!


「おい、君!いまは授業中だぞ」
「おれらのクラスは自習中だから別にいいだろ!(どーん)」


(えっ?そういう問題?!)
いきなり現れたエースに、騒ぎ出すクラスメイトたち…そして、一瞬エースと目が合ったあたしは、すぐに顔をそらした。するとドンっとおっきな音がなった。びっくりして前を見れば、どうやらエースが教卓を蹴ったらしい(先生びびってるよ)そしていきなり叫ぶエース。


「おい、なまえ!さんざんおれのことを避けやがって、おれ何か悪いことしたか!?」
「…だって、あたしと仲がいいままじゃ好きな子が勘違いしちゃうじゃん!」
「はあ!?」
「エースには好きな子と上手くいってほしいから…」
「おまえ、ほんとバカだな…あの流れからいったら好きなやつってなまえに決まってるだろ!」


えェえええ!?もしかして、ただの早とちり?あたしたち両想いだったってわけ?!うそっ…

「おれは、好きでもねぇ奴とずっと一緒になんか、いねぇよ!気付けバカ!」
「だって、エースが…」
「てめぇ、好きだって言わなきゃわからねーのかよ!?」


クラスメイトのヒューヒューと冷やかす声や先生の怒鳴り声だとか、そんなの全然耳には入らなかった。あたしはただ嬉しさのあまりエースに抱きついた。

ドラマチックな結末を迎えた
ヒーローはあなた!ヒロインはもちろんあたし!




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