罪な煙と本気の赤と。1* 秤に掛けるなんて。 できない。 おれは長い間、海軍であるスモーカーを追っている。 海賊のおれからしたら、海軍を追いかけるなんてへんな話だ。だけど、おれはスモーカーのことを好きなんだ。 本当に、長い間。 そしてこのおもいを隠し続けている時間も。 最初はたんなる遊び心だったんだ。 何時までもおれを捕らえようと追っかけてきて。捕らえるために追い回しているんだと気付いていても。 嬉しかったんだ。 ひとに。例え意味が違えど。必要とされるのが、嬉しかったんだ。 そしてほんのちょっとの遊び心で、スモーカーにキスをした。スモーカーは驚いていたけど、まんざらでもなさそうだった。 いけるな。なんて軽く考えてたら。 逆に落とされた。 不覚にも。惚れてしまったんだ。 これが、おれを狂わせたんだ。 それからおれは、スモーカーにしか目が無くなって。 スモーカーもおれしかいないとかあほみたいに喜んでた。 だけど、違った。 スモーカーはおれを見てはいなかった。 彼は、おれを性欲処理としか思って無かったんだ。 それでもおれは、未だに彼が。 好きなんだ。 ――――数日後 おれは、赤髪ことシャンクスに呼ばれた。 理由なんてつゆ知らず。 だいたいは酒の付き合いとか、そんなことだろうと。 深く考えもせずにシャンクスのところへ行った。 「なんだよ。シャンクス」 シャンクスが居たのはちょとした孤島。 どうやら他の船員はいないらしい。 「あぁ。来たかエース。 ちょっと話があるんだ」 「なんだ?」 これを機にしばらく沈黙が走った。 何かとおもい、シャンクスにもう一度問いかけようとしたらシャンクスが口を開いた。 「お前に。届かないけどものすごく好きな相手がいるとする。そして、もう1人。世間的からも、お前からみてもかっこよくてお前も好きな方なやつ。どっちも男とする。それで…だ。後者に告白されたらお前。 どっちをとる?」 「……え。」 そんなに頭を使わないおれにとっては難しい質問だ。 なにしろ、そんなにいっぺんに言われたら。 でも、もう一度言わすのもあれだから、頭をフル回転して答えを導き出す。 「うーん。そうだな…。」 は、と頭に閃光が通ったように、ひらめいた。 シャンクスのいっている前者のやつを、スモーカーに例えれば答えが早くでる。 「前者だな!やっぱ好きでもねぇやつに告白されたってよ。気持ちは嬉しいがさ。もの足りねえよな」 明るく言ったつもりだった。 でもシャンクスの声のトーンが一気に下がった気がした。 「そうか。」 「シ…」 シャンクスと言いたかった。 けど阻止された。シャンクスに唇を塞がれて。 いきなり腕を引っ張られ。引き寄せられた。 瞬間。塞がれた。いや。塞がれてた。 「…んっ!!」 シャンクスの舌が入ってくる。 おれの舌を絡ませて弄んでから口腔を犯す。歯列をなぞる。 背中に衝撃が走った。 腰が甘く痺れる。 「はっ。や…めろ…んん!!」 いつの間にか背後に壁があり、そこに押し付けられた。 その拍子に仰け反らせた背のせいで突き出た胸の、その突起にシャンクスの指が触れた。 「…あっ!!」 スモーカーのせいで自分の体は敏感になっていたらしい。 乳首を触られただけで中心に熱が集まっていくのを感じた。 しばらくそこをシャンクスは弄んでいた。 「やめ…てくれよっ…こんなこと。シャンクスを…っはあっ……しんじてたのに…っ!!!」 「…だからこそ。お前を。 おれのものにしたい。エース。」 「…あっ。やだ…シャンクス…!!」 シャンクスの手が、おれのモノに触れる。 そして、それをズボンの上から擦られる。 直接ではないから妙な焦れったさがのこる。 もう一度。キスをされた。 今度は啄むような、優しくも、乱暴なようなキスだ。 「…なんで、こんな…うっ」 「…届かないで苦しんでんなら……。」 吸い込まれるような視線。 その瞳の奥には、怯えたおれの顔と。 本能をむき出した獣の色をみせている。 ―――届かない…。 「おれのものになれよ。」 「…っつ!!!」 ―――おれはどうしたらいい? (迷うつもりなんて無いのに) 罪な煙と本気の赤と。1 END 三角かんけ…いや。 まさかの三つ巴。とみせかけてのやっぱり三角関係。 煙←炎←赤 みたいな。 実はスモーカーはシャンクスすき。 なんて設定ない。 つづきもんです〜。ゆっくり読んでってね。 |