[携帯モード] [URL送信]
10000hit企画


知ってるか。

この世界には、人魚がいるんだぜ。



プリンスオブマーメイド



 今日は珍しく暇だ。くそ暇だ。オレはたまに当てもないのに近島にぷらぷらと遊びにいく癖がある。


今回は、その延長線ということで。 オークションとやらに行ってみようと思う。


 オークションっつったらかなり質が悪いように思える。
でも、なんとなく、だ。理由もなくオークションに行ってみたくなった。


 どうかしてるな、と自分に苦笑した。




「ここか…?」

オークションの会場に着いてしまった。
ぷらぷら歩いた筈なのに。

しかし意外と外れにあるんだな、オークション会場は路地を進んで、さらに入り組んだところにあった。

全くの新地にドンと、意外とデカい。

 なりは、サーカスのような形をしていた。


「入ってみるかぁ」


入口には受け付けの道化師といっていいのか…、そんなような身なりをした人物がたっていた。それはチラシを配っていた。



―――人魚 50,000,000Bから

など、こんなような内容だ。

しかし、人魚は高い。5000万ベリーからとか、目がくらむ。




『離せっ!!汚ねぇなぁっ』


「…ん?」


 なんか、男の声がしたなー。しかも、もめている。

気になったオレは声のする方へ足を運んでみることにした。





「まじやめろ!!はなせっ!!」

「−−っ!?」


 そこにいたのは数人の男に囲まれた、人魚だった。


いや、ん?男…?

オレは、人魚といったら女性のイメージが強かった。まぁ、男性もいるだろうが。


不覚にも、その人魚は男のくせして、すごく魅力的だった。




 こんなこと思っている間にも人魚は野郎共に攫われてしまいそうだ。オレはこうしては居られないと、足を走らせる。



「そいつから離れろっ!」

「あぁ!?誰だてめぇ!!」

「うるせぇえ!!」


 オレは無性に男達がむかついた。何故かわらかない。

でも、許せなかった。


オレは野郎共に6、7発のストレートをぶちかましてやった。

 うわああ、と野郎共は足早に逃げていった。
弱ぇくせに調子乗りやがってむかつく。


「はぁ…、ふぅー……大丈夫だったか?」

「あ、おう」


呆然とオレを凝視している人魚に安否確認。

どうやら無事のようだ。

 …と、自己紹介がまだだったのを思い出した。


「オレはマルコって言うんだ、よろしくねい」


「あぁ、おれはエース。よろしく、助けてくれてありがとう」

 エースかぁ、何故か名前を心のなかで繰り返す。
よほどこのエースを気に入った様だ、オレ。



「あっあのさっ…!?」

「ぅおう?」

突然叫ばれてビビった。
間抜けた声を出してしまって恥ずかしい。


「しばらくおれの身を預かってくれ…!!」


「はぁ…?」


「あ、いや…ちがうなぁ…おれを居候させてくれ!」


「はぁ…」

要するに、自分の身を置いて欲しいと、隠したいと。


「いいよい」

「…!!恩に着るよマルコ!!」



 なんでこうなった?



――その後〜船内〜



「と、言うことで人魚エースをしばらくモビー号に置くことにした。よろしく頼むよい」


「エースだ。よろしく」


 簡単な理由と簡単な自己紹介。でもこれだけではさすがに心の広いクルーでも、不審らしい。

ただ、親父は信頼してくれたみたいだ。
エースも心底嬉しがってた。




 しばらくすると、みなエースに慣れたらしく、少し開いていたいやな距離も今はもうなく、寧ろ無さ過ぎている…、何故なら


「なぁエースぅ?これから暇かぁ?」

「エース!!トランプしよう!!」

「エースぅうう!!一緒にプール入ろう!!」


…どいつもこいつもエースエース!!

エースはオレのと約束したのに…!!







『え?』

『だから、その代わりにおれはお前の言うこと聞くよ。その船のなかではおれはマルコのもんになるよ』


『なんだそ…『お願いだ』………わかったよい』








 こんなことを約束した。筈なのに…。
なんでエースは皆に尻尾を振るんだろう?
何故だ…。

オレの物になるんじゃなかったのかよい。




「エース」


「ぉあ?おーマルコー。なんだ。機嫌悪そうだな」


 誰の所為だっ!
って言ったってただオレが皆に嫉妬してるみたいになっちまう。皆はあの約束を知らない。


 でも、願ってまでしてオレのもんになる宣言した

んだ。こいつが。なら、責任取っくれてもいいよな?



「お前、俺のになるっつったな?」

「うん」

「なら、オレだけと話せ。オレ以外の野郎とじゃれるなよい」


「…なっ!?」


 我ながら、ひどいことをしたと思う。でもそれは本心じゃない。
多分、オレはこいつを独占したいんだ。
オレだけのモノに、したいんだ。



「俺のもんになるって懇願したのはどこのどいつだい…?」


「ぅっ、それはおれだけど…」

「ふ、決まりだな」





 それからと言うもの、オレはエースを独占している。


「なぁ、最近マルコ…エースを独占しすぎじゃねぇ?」


「確かに。いつも一緒だよな」


 なんて言葉はよく耳にする。だって、独占して下さいってエースが言ったようなもんなんだよい?

それに、エースだって満更でもないみたいだしな。


「マルコっ!!」

「あぁ…。行くか」





 オレは、いつも彼を独占する。
それは独占に隠れた、儚い感情からでもある。
片時も離れたくない。

まるで恋。


多分、オレは彼に恋しているんだ。





オレと彼は恋に溺れる、一歩前。
(独占欲の類義語?)
(それは愛。)



 そのころ…。



「俺のエース(財宝)はどこだぁああああああ!!」


 なんて声がいつの間にやら海にこだましているとかなんとか…。


「…?親父?」


「どうした?」

「はは、何でもないよ」






end*



ポプリさん。
長らくお待たせしてしまい大変申し訳御座いません。
また、ポプリさんが今回の大震災において被災されていましたら、心よりお見舞い申し上げます。

さて、こんなに長くなる予定は御座いませんでしたが、私の力ではコンパクトにまとめる事ができず、長くお待たせする上に小説も長いと最低です。どうかお許しを!!


では、リクエスト誠にありがとうございました。
そして最後まで目をお通し下さり感謝しております。

ポプリさんに幸おおからんことを願って!!


せいる拝




あきゅろす。
無料HPエムペ!