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ぽつぽつと滴る雨粒。

きらきらと光る朝露のような雨粒が…エースの部屋に滴り落ちる。


「あ、」

雨漏りか…

と、エースは小さく息をつく。まさか、船で雨漏りが起きるなんて想像すらしてなかった。


そとはザァアと屋内にも響くくらいの勢いだ。

部屋に水溜まりが出来ないうちにさっさとバケツを持ってこようと足早に廊下にでた。



「どうしたんだよい、そんなに急いで。」


聞き慣れた声。

声の主はエースの想い人のマルコであった。



「あぁ、あの…雨漏りが…」


緊張であまり言葉が繋がらない。

「雨漏り…!?…で、何かいるのかい?」

「んー。バケツかな。
何処にあるか知ってる?」

「あー、一緒に探してやるよい。」


まさかの2人っきり。思いがけないマルコの言い分に一瞬戸惑った。

マルコは基本的に仕事で忙しい。
今日はめずらしく乗ってくれた。何か有るのかもと、若干の期待。

それでエースの胸は躍った。

バケツ早く見つからなければたくさん2人でいれるのに。

と、思ったつかの間。案の定バケツはすぐに見つかってしまった。

今エースの視野の端っこにバケツの青が見えた。

マルコは気付いてないようだ。
エースは必死に視野に入っているバケツの存在に気付かないふりをしている…。

「お!あった。そこだよい。エース。」

「…、あ。うん」

「…?…よかったねい、あってよい」


エースが言葉を濁らせたのが気に掛かったのか一瞬、怪訝そうな顔をする。

が、直ぐに元の顔に戻って、踵を返す。


何も言わずに帰ろうとするマルコ。


さっきまでの期待がウソのように。足元からバラバラと崩れ落ちるようだ。

せっかく。2人でいれたのに。
エースは表せない感情が胸に渦巻いた。

このままで終わってしまうような。そんな。

悔しいような、寂しいような。

「…っ、マルコ!!」


エースは、掛ける言葉もないくせに。マルコを呼び止めた。


「ん?」

「……あ、の…」

何も浮かばなかった。

言葉に、つまる。

何を言ったら、いいのか?

―――行かないで?

―――もう少し。一緒にいよう?


エースの頭にこんなような言葉がループする。

こんなんじゃだめな気がした。

ずっと黙ってた。マルコが呟く。
「どーでもいーけどよい。
お礼、言ってくれてもいいんじゃないかい?」


とそれだけいってエースに笑いかけて。

後ろ向きに手を振りながら去っていった。



エースはただ、呆然とした。
それから、自然に頬が緩んだ。

そんな。簡単なことが
エースには足りないようだ。






ぽつぽつと滴る雨雫が。
バケツに溜まる雨粒が。
ぴちゃぴちゃと奏でるメロディーに乗せて。

君に届くまで。



(ありがとう!!)
君から教わった感謝の音と。

END


なんか、うまくまとまってないですね。
かわいいエースをめざしました。


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