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誕生日



365日のうち、1日だけ、自分が主役の日がある。

それが、誕生日だ。

今日はその誕生日の主役の宴がモビー号の甲板にて、行われている…。






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「エースの生誕を祝して!カンパーイ!!」


「「オオオーー!!」」



今日は白ひげ海賊団の末っ子エースの誕生日である。

主役というのはエースに当たる。
当の本人はにこやかにご満悦の様子だ。酒も相当はいっている。


「おめでとう、エース」

「ああ、ありがとう」



この繰り返しだが、誕生日をあまり祝われてはいないエースにとって一人一人のこの一言が掛け替えのないものだ。


しかし、彼は彼で一番に祝って欲しい相手が要るようだ。

それは、…


マルコである。



一番エースを可愛がってくれた(白ひげも相当だが)のがマルコであるから、エースはかなりマルコを慕っているし、尊敬もしている。

好意があることだって、本人は気づいている。


しかし、その当の本人がエースに挨拶どころか部屋から出ていない。

エースいがいのクルーも不思議がっていたが宴会は並行に行われた。


「マルコに祝って欲しいかい?」

「あ…サッチか…。そりゃまぁ」


「残念そうに言いやがって、…後で呼びに行ったるよ」

「邪魔しないほうがいいんじゃねーの」


サッチの優しさが嬉しかった。でも呼びに行く程マルコが自分から来ないことがエースにとっては悲しかった。
その所為か分からないが、エースの言い方には棘があった。


「ふてくされんなよ」

「…されてねーよ」

サッチに若干笑われたエースは膨れた頬で人ごみへと溶け込んで行った。



―――マルコはおれのことどうでもいいと思ってるのかな。















――――――ガチャ


「よぉ」


「……なんだサッチか…」


「お前も残念そーに。お姫様が直々に来てもらわないといやか?」


「うるせーよい」


サッチにからかわれたマルコは赤らんだ頬を隠すように仕事机に向かった。


「いつ宴に来るんだ?」

「……。終わる頃に行くよい」
「拗ねるぞ、エース」



「………知ってる」

薄ら笑いを浮かべたマルコはそう言って、机の上に散乱としている書類に目を通しはじめた。

「今やんなくても…」

「辛いことは先にやっとく派なんだよい、おれは」

「そーですかい、んじゃあな」

軽く手を上げたマルコを確認し、部屋から出て行くサッチ。

本当は宴に出たいくせに…。

内心そう思いながら、可愛いところあんじゃんと無意識に笑みがこぼれた。

これからエースに事情を話さなければ、エースはマルコに祝って欲しいに違いない。
そのことをサッチは理解していた。











「エースー」

「マルコは?」

「早いねぇ、返事。
書類片付けてから来ると」

「……そっか」

「恋人の誕生日なのにーっつって?」

「ちっげーよ!!大変そうだなっておもったんですぅ!!」


――ぜってぇ図星


多分、エースはマルコに祝って貰えなくて悔しがってるし、悲しいであろう。

恋人の誕生日なのにいち早く祝ってくれなかったこととまだ宴に出られないことを知ったエースがあからさまに落ち込んでいる。



「まぁ、夜まで待てよ」



「……ん」




(楽しみはラストの方)
誕生日
@マルコの場合

続く


まさかの続編。
すみませんっすみません!!
次でイチャコラ。
ちゃんと終わりです。


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