[携帯モード] [URL送信]
近く



近くて遠い。
最初はそんな恋愛を知らなかった。分からなかった。

でも、あんたをみて、恋して…気付いたんだ。





愛して止まないあなた





船内に響く高笑い。

おれはそれに参加しなかった。
宴のようにバカみたいに騒ぐクルー達。
楽しいはずの笑いは、おれのこころに虚しく響くんだ。





「どうした暗い顔して」



話し掛けて来たのは、おれの大好きなマルコだった。


だれの所為だよと内心思いながらも、これを伝えてもマルコには分からないだろう。

マルコはおれの想いに気付いてないんだ。
いや、気付こうともしないだろう。


マルコはおれを見ていないんだ。



「なんでもねぇよ」

「嘘付け。本当はなんかあんだろ?言ってみろい」


優しく微笑みかける。

なんでだ。好きでもないくせに、そんなに優しくしないでくれよ。変に期待するから。


それにおまえには、マルコには…。サッチがいるじゃねーか。



「エース?」


ずっとだんまりとムッとしていたらマルコが心配するように顔を覗き込んでくる。


やめて、そんな顔でおれを見ないで。


「…はぁ…。…ほんとになんでもねぇから、心配すんな」


「あー。分かったよい。無理すんな」


頭をポンポンと叩かれた。そのままマルコはクルーの賑やかな影に溶け込んでいった。






―――――――――――


なんであんたはそんなに優しいんだ。

おれみたいな奴に優しくするんだ。

期待する。好きになる。いや、もう遅い。好きになってる。
あんたのことが死ぬほど好きなのに、あんたはもう恋人が居るんだ。


なのにあんたはおれに優しくするんだ。ずるい。ずるい。

これじゃあ、もう。


もっと好きになる。







―――――――――――




「よぉ、マルコ」


「…サッチか」


「なんだよ、冷てーな」


「オレ、エースに嫌われてんのかな…?」


「はぁ?」



さっきもそうだ。エースが無駄に冷たい気がする。


なぜだか分からないから、こんなに悩んでいる。


「お前、気付いてねーの?」


「……は?」


「エース、お前のこと好きだぜ?」



「………………はぁ!?」



――――――――――――




「え!付き合ってねぇの?」


「なんだおめー、本気にしてたのか?」



本気にしてたも何も、あんなに仲良いから付き合っているのかと思っていた。


そう『本気にしていた』とは、マルコとサッチのデキてる説だ。


おれはまんまと本気にしていたらしい。
我ながら恥ずかしくなった。



 そう、あの後(マルコと話した後)おれは泣きたくなってジョズに相談したのだ。



その結果がそう。



とんだ1人被害妄想だった。
でも安心している、おれがいる。

よかった、マルコが誰とも付き合ってなくて。







「エースっ!!」


バンっと扉が勢いよく開く音。息を切らしてやって来たのはマルコだった。


「マル「こっち来い」…ちょっ!?」



腕を引っ張られ、おれとジョズのいた食堂から引っ張り出される。

おれが焦っているのをジョズはグッジョブと親指を突き立てているのが横目に入った。


どういう意味だよ…!!




「マルコ痛いって!!」

「っあ!!悪い!!」

「どうしたんだよ、そんなに焦って!!」


強く握られた右手首を労るようにさする。

なぜだか妙な緊張感がはしる。


「マルコ…?」


「エース、オレ…。お前が好き、かもしれん」


「…えっ、あ………え!?」



どういうことだ!?

おれに優しくしたのは、おれが好きだから!?

サッチと付き合ってなくて、それで、おれに告白!?

話についていけない。


マルコはおれが好きでおれは今まで、マルコとサッチはデキてると勘違いして、勝手に被害妄想して、マルコをずるいと思って…。



って…おれらはもともと繋がっていたの?



そう思うと、無償にうれしくなった。





「マルコっ!!」





愛して止まないあなた

(私の全てで抱きしめた)
(見えなかった赤い糸)





――――――――――――

いつも通り、ぐちゃぐちゃですね。
題名はKOKIAさんの曲から頂きました。

しかし、今回はサチマルと思いきやのマルエーって訳でしたけど、エースは何気に思い込みをよくするタイプだと勝手に思います。
マルコも右に同じ。

マルコのが軽いかな?


とにかく、まとまってなくてすみません。


ここまで読んでくださりありがとう存じます。


+


あきゅろす。
無料HPエムペ!