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拾われては、体で払い。また拾われては体で払う。
おれは家を転々として生活をしている。
所謂、ヒモとか宿借り。

今日はだれに拾われるんだろうな。




たいしてする事のない毎日はおれにとって憂鬱なだけ。退屈だ。なんもしてないし。
それに比例しお金もない。

だから、ヒモまがいなことをしてる。今はもう、完全なヒモだけどな。



「あー。」




空腹が限界に…。
ヤバイな。さすがに2日も食べてないと。飢餓で死ぬってば。
人間ってやっぱ食べないと駄目なんだなってこんなこと考えてる暇なんてないし。



くそ、意識朦朧としてきた。

だれか拾ってくれないかな。








ここで、おれの記憶はたたれた。












「…ん…」

「起きたか?」


目が覚めると知らない部屋。どうやらだれかが拾ってくれたようだ。内心ガッツポーズ。
しかもこの部屋めちゃくちゃ広いし綺麗だ。今度はどんな人だ?

「なんで、道のど真ん中で転がってたんだよい?」

「あー、空腹?で、しんでました」

「はぁ……。お前名前は?」

「エース。あんたは?」「マルコだ。…何か作ってくるから待ってろい」

と、マルコは言ったきり部屋を出て行ってしまった。なんか、中年って感じ。
でもかっこよかったな…。

バリバリのビジネスマンみたいな。なんか、体で払えないような…。
まぁ、大丈夫だろうけど。落とせなかった野郎なんていなかったし。

そうだ、もう抱かれるように脱いどこ。どんな反応するか楽しみだし。

ガチャ―――


「ほら、できたよい………って、なんて格好してんだい。」

「おれのこと、泊めてくれるんでしょ?だから、そのお礼
 …おれの体。好きにしていーよ?」




「はぁ…ふざけたこと言ってねーで、さっさと食って寝ろ。」


バタン…――――


「あ、れ?」

マジかよ…!?初めてだこんなの。あり得ねー!!あり得ねー!!
拾ってくれるやつは大体これ目当てなのに。

今の世の中こんな善人いたのかよ。

ていうか。このまま居座り続けたらそう長くは居られない。だってタダだし!
ほかにどうやって払えばいいんだよ…!?



不安で食べ物が喉を通らなかった。すごい、おいしいのに。






とりあえずは全部食った。出されたもんはそりゃ全部食わないと失礼だし。

そういえば、マルコはどこに行ったんだろ。寝ろって言ってたけど、眠くないしな。

探検を含めてマルコ探しに行こう。と意気込んでベットからでる。

ちゃんと服着るって。





キィ―――


恐る恐るドアを開ける。どうやらリビングのようだけど、広いな…。
ここの主人はそうとう仕事が出来るんだなぁ…。
絶対女遊びしてそー。

って言っても実際、おれを拾ってくれて。でも誘ったおれを断った。

男に興味ないのかな。


いや。

……男は妊娠なんてしない。抜くには丁度いいはずだ…。

やっぱり女にしか興味ないのかもな。


今までヒモやって来たけど、拾ってくれたやつにはバイがけっこういたし。

そうじゃない人もいたし、不思議なことじゃない。
(でもやっぱり身体で払う術しか知らないおれには困る)




しばらく部屋を模索しているとソファにダイレクトに寝ているマルコがいた。

ソファの背もたれの部分に足を引っ掛けて、大股開いて寝てる。あまりの寝相に吹いた。

起こさないようにそっと近付く。
改めて顔をみるとやっぱりきれいな顔してるなぁ。

勿体無い、な…。
こんなかっこいい人に拾われてもやれないなんて。
まぁ、やる目的じゃないけどさ。いままでそうしてきた…。


泊めてくれる変わりに体で払う。無一文のおれにはこれしか無かったんだ。

なのにこの人は。






いみ分かんねー。






(身体でしか払えないのかな)
(汚い自分)

つづく



某様!!なんだか長編フラグなので…!!長編にしてみました。かってに申し訳ない…!!

ここまで読んで下さりありがとうございます!!




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