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イナGO★DEバレンタイン
狩屋くんDEバレンタイン


「なまえせーんぱい?勿論俺にもチョコ、あるよね…?」



小悪魔にちょこれいと











今日はバレンタイン!


…ってことで、

昨夜ちゃんとサッカー部みんなの分ちゃんと作ってきたんだぜ!

しかも監督の分も先生の分も
あ、あとマネージャーの分も!

頑張ったよ私!

すんごい眠いけど頑張ったよ!

みんな褒めて褒めて!










寝不足のせいでテンションがおかしくなりながらも、さっそくみんなに渡しにいくことにした。













『あの、皆さん聞いてくださーい!ちょっと照れくさいんですけど、チョコ作ってきたんで、良かったら食べてください!』

そういったら一目散に松風くんと西園くんが飛びついてきた

「なまえ先輩!僕らも貰っていいんですか!?」

『勿論よ!はい、どうぞ』

「わーい♪ありがとうございます!」

そうやってはしゃぐ二人
可愛い奴らじゃ





そして一人一人渡していく

みんなちょっと照れたりしながらも

ありがとうって言ってくれるから私もなんだかちょっぴり照れくさい

みんな喜んでくれるか心配だったから安心した

素直に嬉しい




『はい、きり「せーんぱい!」』


霧野くんに渡そうとしたら、
霧野くんを突き飛ばして狩屋くんが目の前に立っていた


「なまえせーんぱい♪僕にも先輩のチョコください!」


天使のような笑顔でそう言ってくるのは一年の狩屋マサキ



………私は彼の本性を知っている


「……おい、狩屋おまえ今…突き飛ばしやがったなっ、!」


「ああ、霧野先輩っ居たんですね。大丈夫でしたか?すみません眼中になかったんで気づきませんでした」


「っ!狩屋てめぇ…!」


『まあまあ落ち着いて落ち着いて!』


慌てて止めに入る



霧野くん!
ここで君が突っかかったら彼の思うつぼよ!



そう念じながら霧野くんに目配せしたら、奇跡的に思いが通じたようだ



『…ってことで、改めて霧野くん。どうぞ!お口に合えばいいな』

「ありがとな。味わって食うよ」


そのとき狩屋くんが如何にも舌打ちでもしそうな顔になったのを私は見逃さなかった


「……せーんぱい?僕にもくれるんですよね?」

『…あとで霧野くんにもう一回ちゃんと謝るならあげる』

「それくらい当然ですよ!悪気はなかったにしても僕が悪いことしちゃったんですから」


……嘘だ

絶対嘘だ


わかっていつつも
あげるしか仕方ない


「先輩ありがとうございます!すっごく嬉しいです!」


そう言ってまた天使のようなスマイルをかます






はあー


天使というより悪魔だよなぁ

狙ってやってるんだから小悪魔というべきか



それにしても霧野くんだけに敵意剥き出しだし

なんでだろう



このままじゃ霧野くんが可哀想だし、マネージャーとして放っておいちゃダメだよね!



『ねえ、狩屋くん』

「? なんですか?」

『放課後部活終わってから二人で少し話さない?』

「おい、なまえっ、」

「僕は全然いいですよ」
『んじゃあまた後でね』

そういうと狩屋くんはニッコリ笑って離れていった


「おい、なまえ大丈夫なのか?アイツ何考えてんのかわかんないぞ…」

霧野くんが心配そうな顔をしてそう耳打ちした

『大丈夫大丈夫!心配いらないって!』



このとき狩屋くんが此方を見てニヤリと笑っていたことに私は気がつけなかった

















********************

「先輩!待たせちゃってすみません!」

狩屋くんが駆け寄ってきた


こういうときは可愛いのになぁ…

いかんいかん!
騙されないぞ!



『気にしない気にしない!お疲れ様』

「先輩こそお疲れ様です!で、話って何ですか?」


『うーむ。それでは単刀直入に訊こう。霧野くんのことどう思ってるの?』

「……いきなりどうしたんですか?霧野先輩もですけど、先輩方はみんな良い方ばかりですよね」

『……霧野くんが何かした?』

「どうしたんですか!今日の先輩何か変ですよっ」
『ごまかさないで。素直に何でも言って』

「…………」


『もしそうなら霧野くんにちゃんと話きこう?何かの勘違いかもしれないし。本当に霧野くんに何か嫌なことされたなら謝ってもらわなきゃ!』

狩屋くんの目を真っ直ぐ見つめて

『でも、もし狩屋くんが゛一方的な思い゛で霧野くんにあんな態度とってるならちゃんと謝らなきゃ、ね?』



「ははっ、はははははっ」

『!?』

彼が突然笑いだした



「なまえ先輩、やっぱり面白いっすね!」

『え、ちょっ、何事!?』


「霧野先輩、なまえ先輩と仲良さそうだったんで、ちょっとしたヤキモチっていうか、出来心っていうか」

『ええっ!?ちょっと意味が良くわからな、』


「ああー先輩顔赤くなってる〜」

ニヤニヤしながら近付いてくる


『ちょ、近いよ狩屋くんっ!』

近付いてくるたびに後ずさりしてたら、いつの間にか壁際に追い込まれていた



「そういえば、なまえ先輩?俺にチョコくれないんですか」


『ええっ!?朝渡したじゃない!忘れたとは言わせないわよ!』


「だってアレみんなと同じのだしー!そうじゃなくて、」



特別なの、ちょうだいよ


『ひっ、///』


いきなり耳元で囁いてきたから心臓が跳ね上がった


「んー仕方ないなぁーどうしようかなー」


そう考える仕草をして


「そうだっ」


と手を打って、

私を見てニヤリと笑った





「…今はこれで我慢してあげる」










ちゅっ


ほっぺに柔らかい感触














《はあ!?ちょ、ちょちょちょちょっと待って狩屋くんんん!?!?》

《あはは先輩顔真っ赤だよー!》

《あ、もしかして唇にして欲しかった?》

《〜〜〜〜〜!!》

《そういえば先輩さっき、何でも素直に言って…みたいなこと言いましたよね?(ニヤ》

《う、うん…》

《俺、なまえ先輩のこと好きみたい。だから……覚悟しててよね》

《〜〜〜〜〜!!////》












小悪魔に翻弄される日々は始まったばかりです


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あきゅろす。
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