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小ネタ(南北朝)
深夜に身を任せ(直→尊)※R-15
※深夜に直→尊考えてた結果。
R15とか表記したけど対した事なかった。



本当に一瞬だった。目の前の相手に押し倒されたのは。
訳が分からず、俺は相手の名前を呼んだ。
相手は呼ばれたのが嬉しいのか、ニコリと笑みを作った。

「こうするしかないんです」

そう言うと相手は服の留め具を外していく。上着の前が開けられ、下着の隙間から手を入れられ漸く頭が状況に追い付く。
必死に抵抗するが、何処にそんな力があったのか俺の抵抗は無駄となり、両腕をまとめて縛られている状態である。
服の隙間から入った手が体を這っていくのが気持ち悪い。
胸の突起に触れ弄られた時は寒気が止まらなかった。

不意に相手は首筋のある部分に触れる。そこは昨夜に彼奴がつけた痕がある場所だった。
塗り潰すように相手は口付ける。そしてガリッという音が痛みと共に聞こえてきた。
そこから滲んだであろう血を躊躇なく嘗める舌の感覚がこれは現実なのだと知らしめる。
知っている筈の相手がまるで別人のようで、俺は震える。

袴に手を掛けられ、このままでは危ないと本能が警鐘を鳴らす。
拘束を外そうとするがビクともしない。
声を出そうにも口はパクパクと動くだけで言葉が出ない。俺は情けなく涙をボロボロ流しながら覚悟を決めた。

「何していらっしゃるのです?」

それは俺にとって地獄に仏だった。俺は声の主にすがるように名前を呼んだ。

「…兄弟水入らずを邪魔するのは気が引けますが、この場合はそれが正解のようですね」
「お前は相変わらず邪魔ばかりだね。虫酸が走るよ」
「褒め言葉として受け取らせて頂きます…さて、私が仰りたいのが分からないほど貴方は愚鈍では無い筈ですよ」

そう言われると、相手は俺から身を起こし、腕の拘束を外す。
起き上がった俺に相手はすかさず泣き付いた。

「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい気持ち悪かったですよね?怖かったですよね?もうしないから嫌いにならないで兄さん兄さん兄さん…」

***
ここで我に返った。

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あきゅろす。
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