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君の声が聞こえる




†ジャグニー







「ジャグジー、ねぇジャグジーってば」


陽が照って気持ちの良い程爽やかな風がそよそよと吹く。そんな天気の中での昼寝は最高だ。ごろりと手近なベンチに仰向けに寝そべって、猫の様に目を細める。嗚呼気持ちいい。ふと頭上から声が降り、燦と降る日光のシャワーを遮る様に、人の影ができた。


「なんだ、ニースかぁ・・・」

「何だとは何よ。それより、何でこんな所に」

「ニースも此処に居て御覧よ。絶対わかるから」

「ふぅん」


疑りの眼を少年に向け、ニースと呼ばれた隻眼の女は少年の頭の横に座り込む。確かに、いい具合に照る太陽と抜ける風が心地良い。さら、と自身の金髪が靡く。先の自分の様に気持ちよさそうに目を細める彼女を、横からにこにこと見ている少年基ジャグジー。


「ニース、可愛いよね。全部可愛いけど、特に声」

「・・・・・・はい?」


唐突にジャグジーが言い出した。普段はどもり過ぎて言えない様な、歯の浮く台詞。思わず訊き返してしまった。陽に当たりすぎて如何にかなったのだろうか。


「ニースの声を聞くとね、何だか落ち着くんだ。こう、此処がほっとする」


そう言って、左胸をとん、と叩く。相変わらず驚いた様な表情でジャグジーを見やるニース。そりゃあ、普段おどおどしている彼がこんなに饒舌な上愛の言葉らしきものを囁いているのだから。そんな彼女を知ってか知らずか、つらつらと言葉を並べていく。


「今までさ、何回も諦めたくなったり逃げ出したくなったりした事、たくさんあった。勿論、死にかけた事だってあった。でもね、ニースが「頑張って」って言ってくれるから、頑張れるんだ、僕。「死なないで」って言ってくれるから、帰ってこれるんだ。「大好き」って言ってくれるから、笑ってなんでもできるんだ」

「ジャグジー、貴方熱でもあるんじゃないの?」

「はぐらかさないで。僕これでも真剣なんだよ」


何時の間にか寝そべっていた彼は起き上がり、隣から自分と変わらないニースの手を握って見つめていた。その、何時もと違う真剣な眼差しに、どくりとニースの心臓がペースを上げて鳴る。


「だからさ、ニース。これからも、ずっと・・・」

「・・・・・・馬鹿ね、」


幾らだって一緒に居て、幾らだって呼んであげるわよ。
ふわりと綺麗に笑んだニースに、今度は彼の方がどぎまぎするのであった。




とある日の、とある公園での、とあるカップルの、とある日常。








君の声が聞こえる
(それにしても、どうしたの今日は)
(い、いやその別に・・・こうすればいいって、前にアイザックさんから聞いて・・・)
(そう・・・)
(でも、さっき言った事は嘘じゃないからね!僕の本心!)






祝砲を一発様に提出させていただいたジャグニーです。
わけわかめ(ぇ)になりましたごめんなさい・・・!
ジャグジーはニースの一言で頑張れるんだよーってのを書きたかった筈なのに、なのに!不完全燃焼すみませっ!
とりあえず、最後のジャグジーの台詞にニースが顔真っ赤にしてればいいです。ってかジャグジー偽物!


企画参加ありがとうございました!






あきゅろす。
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