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瑛で7つのお題【瑛誕企画】
7.触れる肌のぬくもり
ふと、目が覚めた。窓から見える真珠のような海と空を見て、今が夜明けなんだと気が付いた。

すぐ隣で寝息を立てている渚の肩を揺らす。

「おい、起きろよ。夜明けだ」

「う〜〜ん…なに?まだ朝じゃないよぉ」

「寝ぼけるな。ほら、外見てみろよ。凄く綺麗だから」

「ん?…わ」

彼女は眠そうに体を起こして、窓から見える外の景色に目を見開いた。

「な、綺麗だろ?これを見せたかったんだ」

「ほんと…凄く綺麗。波の音も…素敵だね」

「あぁ…。毎日見てる景色だけどさ、今日はいつも以上に綺麗に見える気がする」

いつもよりも、感動が大きい気がするんだ。

何故かは分からないけど。

…いや、理由は…多分。


「どうして?誕生日だから?」

「誕生日関係ないだろ。お前が…」

「私が?何?」

「…もういい」

…気付けよ、鈍感。

「ふふっ、変なの」

変なのはお前だ。渚は何故かニヤニヤしながら、俺の腕にしがみつく。

…つか、当たってるんですけど。モロに。

俺は耐えられなくなって、同じシーツに包まる渚を自分の方に抱き寄せた。

直接感じる、人肌のぬくもりが妙に心地よくて。

温かくて。

…なぁ。俺、こんなに幸せ過ぎていいのかな?


「ね…」

「何だよ?」

「…誕生日、おめでとう」

照れくさそうに、彼女は俺の耳に囁く。大好き、という言葉を付け加えて。

今日は日付変わってから何度も言われた言葉だけど、やっぱり嬉しい。

…あぁ、もう。駄目だ、なんか…俺。

本当に…


「きゃっ」

「…お返し」

押し倒して、即座にキス。これはありがとうの代わり。

お前の髪も、唇も、頬も、全てが愛おしくて…体中にキスの雨を降らせる。

お前はくすぐったがって笑うけど、やめてやらない。


お前をもっと感じたいから。


…好きだ。


多分、お前以外じゃ満たされない。

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