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ちょうどいい
随分と期待させるようなこと言ってくれんじゃん。

きっと、あたしはあんたがいなくなったら死ぬと思う。

少し前に雫から言われた。
雫とは別に付き合ってるわけでも、付き合いが長いわけでもない。
同じクラスになって2年目。それだけだ。

「ヨシー。」
声と同時に勢いよく扉が開いた。
「お前、男の部屋だぞ。ここは。」
「それが?いきなり来たらまずいの?」
「まずいねー。男にだっていろいろあんだよ。」
「昼間から変なことすんじゃねー」
こいつは本当に女だろうか。そんなこと言えば、殴られるだろうから言わないけど。
「つか、なんで勝手に上がってんの?」
「お母さんが上がっていいって。」
「うちの親は何考えてんだ。俺、男だぞ。」
「引っ張るな。もうあれだよ。女つくれ。女。」
「いいの?俺、相手しなくなるよ?」
「やだ」

思わず笑ってしまう。こいつは本当に俺に依存してる。
好かれてる自信がある。ただ、俺とは好きの種類が違うけど。


「この前も勘違いされた。」
脈絡なく呟いた。多分、俺達の関係のことだろう。
学校でもしょっちゅう絡んでいて、毎週のように遊んでいれば、そう思われても仕方のないことなのかもしれない。
「あんま気にすんなよ。」
「やだ。あんたも困るでしょ?」
「別に?・・・嫌?俺だと」
「そんなことない、けど」
目が合った。雫は逸らそうとしない。逸らさなければ吸い込まれてしまいそうだ。この瞳を見てると期待してしまいそうになる。きっと俺がこの唇に触れても雫は受けるだろう。

「えー。あたしたちは、この関係が1番なんだよ。てか、新しい彼氏が悲しむ。」
「お前、もう新しいのできたの?」
「うん。1番にお知らせにきた。」
「ふーん。お祝いにゴムやるよ」
「しね。」

雫が笑う。多分俺達は、この関係が好きな理由がわかってる。
このくらいが調度いい。


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あきゅろす。
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