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ハローウィン2013
眠れない夜の眠り方

ここ最近蛍は忙しかった。

それも極道の仕事で忙しく家に帰れない日が続いた。
牡丹の安全を考慮して、差し入れも持ってこなくて良いと伝えた時の牡丹から返ってきた少し寂しそうな声を思い出す。

蛍「チッ。弱いくせにずる賢いデブ狸が…。」

蛍の呟きに周りの組員の肩がビクリと跳ねた。
その様子に玉谷は溜め息をついた。

蘭「…今日中に終わります。余り殺気を出さないで下さい。」

玉谷にチラリとも視線を向けないで、舌打ちと近くにあるデスクを蹴り飛ばす蛍に溜め息をつき時計を見て、ある御使いで出ている君嶋の帰りを待った。

無理もない。
弱いながらに同仁会ではそれなりの地位にいた狸親父を処分するのに会長の許可がなかなか降りずに、狸親父の不正や裏切り行為を片っ端から調べあげ叩きつけて許可を取るのに3週間もかかってしまったのだ。

出会ってから一日と会わない日はなく、蛍を知るものからは有り得ないほどの溺愛を見せつけるほど愛してやまない牡丹に会えなかったのだ。

蛍のストレスと苛立ちは最高潮だった。

事務所内が静まり返っているなか、扉が開く音が聞こえた。
やっとかと玉谷は安堵の溜め息をつくのだった。

菖蒲「たっだいま〜ぁ!!
思った通り息苦しい空気だねぇ。」

蛍「…うるせぇぞ。」

能天気な君嶋の声に蛍の地を這うような声がかえる。
そこで、何時もは組員の顔が青ざめて震えるのだが組員や玉谷は君嶋の後ろに隠れている人物の姿に固まっていた。

?「君嶋さん。全然空気読めてないじゃん。
蛍さん怒ってるし、仕事まだ終わってないんじゃねーの?」

蛍は聞き覚え、と言うか今この場に居る筈の無い声が聞こえて後ろを振り返った。
そこには会いたくてたまらなかった相手がいた。

蛍「…牡丹…なのか?」

さっきとはまるで違う蛍の穏やかな声に君嶋の後ろに隠れていた牡丹がひょっこりと顔を出した。
だが、その格好に蛍は固まった。

牡丹はオズオズと出て君嶋に言われていたようにした。

牡丹「えっと…トリックオアトリートだ、にゃん?」

ぎこちなくだが、動作つきでその上最後に首をコテンと傾げた。



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