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story
夢の中でさえ君は
※裏・ちょびっと血表現有り。
リオンが気持ち悪いです。

















か細い小さな鈴の音が遠くで聞こえる。真っ暗とまではいかないが、薄暗い空間で床のタイルの色が鮮明に見えた。足の数歩先には赤黒い斑点がいくつも落ちていて、奥に行けば行く程その円は大きさを増していた。

ちりん、と鈴が一つ鳴くと、向こうで人影が揺れた気がした。その正体が気になり足を進めると徐々に床に這うそれが見えてきた頃、周りは既に赤一面に濡れねっとりと靴の裏が湿るのがわかる。
光る金の髪が床に沈み変色している。だらりと四肢を投げ出しうつ伏せでスタンが倒れていた。
その正体がスタンだと気付き息を呑んだ。

何があったんだ。まさか、死んでいるのか。


近づきスタンに触れようと片手を伸ばすと、自分の手にナイフが握られていた事に気が付いた。赤い液体が刃を伝い、濡れた床に滴り溶ける。




「……っはぁ、!」

突然の覚醒に頭と視界が追いつかない。薄明るい天井は昨夜と同じ光景で、先程までの情景が夢であったと実感する。
身体中汗で湿っていた。普段汗をかく事など滅多にないが、今は服までしっとりとしていて気持ちが悪い。隣のベッドを見ると規則正しい寝息と共に安らかな顔で寝るスタンが居て、うってかわって穏やかな雰囲気が漂う。

(一体、何日目なんだろうか)


今日もスタンは僕の夢の中で死んでいく。首を絞めた時などは温かい肌の感触が覚めた後も消えずに残り、心臓が止まる気がした日もあった。
何がそうさせるのか。

(僕はお前を殺したい程忌み嫌っているというのか)


目が暗さに慣れてきた頃、自分のベッドから起き上がりスタンのベッドの傍に行く。はだけた布団の中で上下する胸元が見える。鎧を脱いだ身体は少しだけ細く見え、年のわりに幼い寝顔にじんと全身が熱を籠もるのを感じた。

「スタン…」

向こうを向いて横になるその身体の、剥き出しになる耳元に口を寄せ小さく囁く。きっとこいつは起きやしないだろうから。耳の形に添って唇を滑らせ、そのまま下に辿り着くと柔らかな耳朶をやんわりと噛む。
左手をスタンの腹部に触れると撫でる様に太腿へと移り、生暖かいその感触を楽しんだ。夢の中で裂いた肉はこんな感触だったのだろうか。床に撒き散らされた液体を思い出し目を瞑った。
耳朶をなぞる唇を開き舌をあてる。耳より下にいき首筋に舌先で舐め上げると、一瞬スタンの身体がぴくりと動いた。起きたかと思って顔を覗きこむが、瞼は固く閉じられたまま。
どう足掻いても起きないのだろうか。いや、起こしたいわけじゃあない。只、今湧き上がるこの身体の猛りを鎮めたいだけだ。


固いベッドが二人分の重さでギシリと低い悲鳴を上げる。膝をベッドに付けてスタンに跨る様に上乗り上げると、手を顔の横に置いて再度その寝顔を見た。首に顔を埋めると強く香るスタンの匂い。少しの汗の匂いと熱い陽の匂い。ちゅ、と小さい音をたてて幾つも吸い上げ、鎖骨にはより強く唇を充てて痕を残した。

「……ん」

頭上から鼻に抜けるような声が聞こえた。スタンの声ではあったが、普段と違う気だるそうな妙に艶のある声であった。
途端荒くなる呼吸に、熱くたぎる下半身に手を伸ばす。ズボンに手をかけ、既に固く起き上がったそれを取り出し片手で緩く動かす。ぐちゃと粘着質な音と口から吐き出される熱い息が静かな部屋に響く。

「はぁ……ん、はぁ、スタン…」

堪らず口を重ね、唇を舌で些か強引にこじ開け中へと侵入させた。自分のを扱く熱と、舌に感じるスタンの口の中の熱で、頭の中心が浮かされる。
唇を合わせた事でより身体が密着する。空いた片手をスタンの腹に這わせ、シャツを捲っていくと胸元に手が到達した。手を通して感じるのは、スタンの心臓の鼓動。生きている生命の発する音。先程の夢の中では聞こえなかった。

(今は、現実は違う。生きている)

だけども、現実にこの鼓動を止めてしまったら。それを頭の隅で考えた瞬間、じくりと下腹部が揺れ溜まる熱をスタンの腹に吐き出した。

唇を離し滑る手が頭と同時に冷めていく。未だ荒い息が出るが、とりあえず吐き出したものを拭ってシャツを正した。呼吸も落ち着いた頃、ベッドから降り布団をかけ直す。結局スタンは起きなかったが、その方が良かった気がする。もしかしたら起きていて寝ているふりをしただけだとしても。

「現実に殺してしまうのは、少々勿体無いな」

鼓動が止まって冷たくなった身体より熱をもつ身体の方がいいに決まってる。
はぁ、と息を吐き自分の布団に戻り横になる。罪悪感は無いわけではなかったが、無理矢理最後までしなかっただけマシだと思えた。今まで夢が見せていたのは自分の欲を抑えていた反動だったのか。だがそれなら夢の中でいたしてしまう方が正解ではないのか。死と快感に酔った頭が少しずつ眠りに落ちる頃、隣で何かが動く様な気配がした気がするが、深く落ちた思考が停止したのでわからなかった。



















>>END


ディムとシャルがログアウトしてました。
いや、リオン若いから。堪えきれないですよね思春期なんて。
無自覚?そんな、まさか。
只スタンにはあはあするリオンが書きたかっただけなのですが気持ち悪っ、な感じになってしまいました…。スタンはすはすだけでも良かったのでしょうか´`;
…すみません。堪えきれないのは私でしたね(平伏



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あきゅろす。
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