Colorfulカラフル
空に恋して5
黒子っちとの、マジバでの告白から数日。
青峰っちは部活には、やっぱりほとんど顔を出さなくなっていた。出ても黒子っちと会話はなく、ただ赤司っちの話を仕方なく、聞いているだけだった。
俺はどうする事も出来ずに、いつもの毎日を過ごしていた。
そんな中、携帯に黒子っちからのメールが届いていた。
『黄瀬くん、今日の放課後マジバで待ってます』
(告白の返答っすかね…)
多分、そうなんだろうな…そんな予感はえてして当たるものだ。
「黄瀬くん、色々考えたんですが……黄瀬くんと恋人として付き合う事は出来ません」
真剣な黒子っちの顔……。
「…そうっ…すか…。あー俺フラれたの初めてっすよ」
「それは、ムカつきますね」
一見すると無表情なのにそんな事を言ってくる黒子っち。
「黒子っち、ちゃんと考えてくれたんすね。ありがとう」
「はい…そうですが」
「何?」
「いえ…黄瀬くん割とあっさりしてますね。もっと泣きついてきたりするのかと思ってました」
「泣いてるっすよー心の中で。だって黒子っち困っちゃうでしょ?でも、一応理由聞いて良いっすか?」
(最初に目を見た時に分かってしまったんだ。ずっと好きだったから、少しなら黒子っちの感情も読みとれる様になってたんだ)何て言える訳がない。
「友達としてしか見れないのと……そのやっぱり男性と言うのが、同性愛に嫌悪感がある訳ではないのですが…」
そう言われては、どうしようもない。「友達」と「性別」の壁をこえる事が自分は出来なかったのだ。
「本当に真っ当な理由っすねぇー」
「すみません」
「謝らないで欲しいっす。……ねぇ、黒子っち。告白のせいで部活辞めたりしないでくれないっすか?俺も辞めないっすけど……こんな事言うの何様だって思うかもしんないっすけど」
ふいに赤司っちの言葉が浮かんだのだ。確かに気まずいと言えば気まずい。もうすぐ全中の試合も控えている。赤司っちが心配してたのは、こういう事かと改めて思った。
「…黄瀬くんバカですか?」
「ッバ!?」
「辞めませんよ。バスケとこれは関係ないです。それより、黄瀬くんは大丈夫なんですか?」
「…はは…黒子っちやっぱ最高っす!! じゃあもう一つ厚かましいんすけど……友達としてチームメイトとしてまた仲良くして欲しいっす。すぐじゃなくても…」
フラれたとたんに、それきりという関係にはしたくなかった。普通は気まずいとは思うけど、黒子っちと会話をする事や、一緒にバスケする関係まで無くしたくなかった。
「黄瀬くん…僕も君と一緒のバスケは楽しいですよ。君が気まずくないのなら、喜んで」
「ありがとう、黒子っち」
今日始めての黒子っちの笑顔。笑ってもらえて嬉しかった。
「さっそく、明日からまた友達で、よろしくっす」
「はい、よろしくお願いします」
そうして黒子っちと別れて、俺は家に帰って泣いた。本当は道路で泣いてしまいたかったけど、モデルをしてる身でそれは出来なかった。
俗に、初恋は実らないと言うけど本当にそうなんだなぁ〜なんて変な事を考えてしまい、それで余計に涙が出た。
翌朝の俺の顔はとっても、残念な顔をしていた。
(学校、サボっちゃダメっすかねぇ…)
一瞬、そう思ったが部活に出てこない俺を黒子っちが心配したら、申し訳ないと考えて、何とか学校に行った。
そんな時ばっかり、いつもなら会わない黒子っちと生徒玄関でご対面………。
(俺って今日ついてないっすー!!)
「……………」
「お「おはようございます。黄瀬くん」
「おはようっす。…黒子っち」(俺、ちゃんと笑えてるっすかねぇ…)
見た限りは、黒子っちの様子は普通だ。
「黄瀬くん、今日はいつもよりイケメン度低いですね」
「うぇっ!?」
「目に生気がないですし、髪もツヤがありません、いつものウザいオーラも消えてます」
「それ、褒めてないっすよね!いくら、黒子っちでも酷いっすっ!!」
「今の黄瀬くんの方が、良いですね」
「はいっ?」
思わず、キョトンとなる。
「昨日なので、無理ないと思いますが、友達に戻りたいと言ったのは黄瀬くんですよ。そんなテンション低いままでいないで下さい。いつものウザい黄瀬くんの方が"らしい"です」
「……黒子っち……」
(やっぱり、黒子っちの事好きになって良かったな…。こんな風に俺の調子を戻してくれるなんて、やっべ…また泣きそう)
「じゃあ、黄瀬くん僕はこれで」
「部活、俺にいっぱいパスして欲しいっす!!黒子っち!」
黒子っちは手を振ってくれただけで、教室に行ってしまった。でも、俺の心は随分マシになっていて、これなら部活に出ても気付かれないかな?と思った。授業が終わって、部活に出て、黒子っちのパスを貰って、赤司っちの厳しい練習に耐えて……一日は思ったより早く終わった。
(意外と平気なもんすねぇ…………朝の黒子っちのおかげかな。赤司っちも何も言ってこなかったし…まぁ黒子っちが辞めるつもりないみたいだし、俺も辞めないから、赤司っちには関係ない事っすもんね)
コンビニに寄って買った。ソーダアイスを食べながら、そんな事を思った。今日は一人だ。最近はまぁ、大体一人で帰る事が多くなった。去年の今頃は、スタメンメンバー達とよく寄ったのだけど…。別に寂しいって訳じゃない、自分はモデルもしているので毎回、帰れた訳じゃない。
………でも、いつからか黒子っち含め、いや桃っちもいたから7人で帰る事をしなくなったな………。青の彼の事が浮かぶ。
(二人の事、俺がどうこう言える立場じゃないんすよね。フラれたから余計言えないし、今度こそ、踏み込んだら黒子っちから、絶交されるっすね……)
それは嫌だ。この事は傍観するのが、1番良いのだと頭の中で答えが出てる。モデル業界にいて学んだ処世術だ。
(……俺はやっぱ、狡いのかな…)
食べ終わったアイスの棒を、ごみ箱に投げた。カランと虚しい音が響いた。
たいっへん、お待たせ致しましたぁああああ!!!!!!!スライディング土下座!
ものの見事に、スランプでございます。しかも、お話暗くてすみません。でもハッピーに最終的にはなる?ハズ……です。
今回、文章が迷走していて本当に申し訳ありません。私、シリアス向いてないですね(ToT)
ではまたー!
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